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第98話 ページ17

(迅side)



記者会見ももう終わるころだと安心しきって。


ヒュースと地下で話していたAの目に入るなんて、思っていなかった。


彼女自身をキツく抱きしめるその細い両腕は、かすかに震えていた。


未だ罵声の飛んでいる記者会見を映すテレビを切って、崩れそうなAを支える。




A「…________全部、私のせいなの」



小南「A…?」


A「ごめん、なさい…私がこっちに戻って来なければ、大規模侵攻なんてなかったはずで、」


迅「おい、落ち着けって」


A「だから、犠牲になった30人だって…っわたしが、殺した、っ結局救えなかった、」



迅「A!」




Aの肩を掴んでこちらに向かせると、彼女はびくりと震えた。

蒼白の容貌が、後悔と恐怖に染っていた。



迅「…お前は、自分を責める必要なんかないんだ。責任は、お前ひとりが背負うものじゃない」



A「…でも、私が初めから向こうに戻ってたら、」




そうしたら誰も犠牲にならずに済んだのに、なんて。



泣き出しそうな表情で、彼女は呟いた。


その途端、どうしようも無い衝動が身体の内側から湧いた。



…どうして。




迅「___どうしてお前はいつも、自分だけ犠牲になろうとするんだ!」




Aの前で、ここまで声を荒らげるのは初めてだった。


…いつも自分のことより周りのことばかり考えるのは、Aの良いところでもあるけれど。

どうして、そんな生き方をするんだ。

自分だけで全て呑み込んで、消えてしまおうなんて。


…Aが帰ってきてからずっと、不安だった。

またいつの間にか消えてしまうんじゃないかと。4年前のように、…まるで初めから、全て夢だったかのように。



彼女は俺の怒声に目を見開いたが、すぐに唇を震わせた。




A「…そんなの、私が犠牲になればみんな助かるのに…っそれでどうして私も助かりたいだなんてこと言えると思うの?!」




___Aの放った言葉は、暴力的なまでに部屋に響いた。


…それでもまるで、助けてほしいと言っているようにしか聞こえなかった。



彼女のトリオン量も、強すぎる閃蝶というトリガーも、それらと共に付き纏う責任や重荷も。

たった17歳の女の子が背負うには、あまりに重すぎた。


 

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フォルテ(プロフ) - kasunana__ka10iさん、コメントありがとうございます。続編は先ほどまで準備中でしたが、只今公開しましたのでご覧くださいませ!お待たせいたしました。 (2021年2月18日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
kasunana__ka10i(プロフ) - いつも楽しく拝読させていただいています!続編のパスワードはどこでみたらわかりますか? (2021年2月18日 18時) (レス) id: 74459d3d5c (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - ゆかりさん、コメントありがとうございます。少しでもお勉強の励みになれたら幸いです。これからも更新頑張ります! (2021年2月17日 18時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - 受験勉強の息抜きに見てるんですが、やっぱり面白いです。これからも応援してます。更新頑張ってください。 (2021年2月17日 15時) (レス) id: 62a35361d3 (このIDを非表示/違反報告)
フォルテ(プロフ) - まるさん、 コメントありがとうございます。読んで頂けて嬉しいです!先程ご指摘いただいた箇所に修正を加えました。主要キャラクターの名前ミスはお恥ずかしい限りです…また誤字や不適切な表現があれば教えて頂けると幸いです! (2021年2月17日 14時) (レス) id: d29ecefbc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フォルテ | 作成日時:2021年2月6日 4時

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