2.出会い、そして依頼 ページ4
夢主side
しかし、私の目に映ったものはしおちゃんではなく、砂色の外套を羽織っている高身長の男だった。
その男は私の手を握り此方に笑顔を向けている。
『あの…何でしょう…?』
「あぁ…!容姿も声も全てが可愛らしいお嬢さん!一人で川に落ちるくらいなら!どうか私と心中していただけないだろうか」
瞳をキラキラと輝かせながら、そんなことを言って来た。
『…心中?』
口からぽろっと出た疑問の言葉に
「そう、心中だよ」
頷き返してくる彼。
『…心中はごめんなさい。私、心に決めた人がいるので。それと手が痛くなってきたのでもう少し優しく握ってくれないでしょうか』
「此れはすまない!」
そう言って手を解放してくれた彼は言った。
「だが、どうせ川に入るのならば心中の方が良い。一人だと君も寂しいだろうからね。…そしてもしも私と心中する気になったのなら!その時はいつでも声をかけてくれ給え。歓迎する…ぐはっ!」
「やはり此処におったか!この包帯無駄遣い装置!」
そう言って彼の頭を思い切り殴ったのは金髪に眼鏡で、理想、と書いた手帳を持っている男だ。
「酷いよ国木田君、殴るなんて。それにそのあだ名、少し傷つくのだけれど」
「そう言われなくなかったら仕事をしろ太宰。今日もお前の所為で大幅に理想が狂ってしまった!」
「本当に国木田君は理想が好きだねぇ。だが諦め給え!私は今忙しいのだよ」
そう言うと殺気を出し始めた彼を尻目に彼はまた私の方を向いた。
「では私は社に戻らなくてはならなくなったからこれで失礼するが、何かあったら私の所へ来なさい。武装探偵社という所だ。私の名は太宰。太宰治だ」
『探偵社…』
その言葉に急いで、引っ張られ始めた彼の外套の裾を掴む。
驚いて振り向いた彼に私は笑顔を向けた。
『その探偵社っていう所、私も連れて言ってくれないでしょうか。その…探して欲しい人がいるんです』
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らおらお(プロフ) - 好きです。読み続けたくなる。 (2019年4月3日 17時) (レス) id: ee472e7980 (このIDを非表示/違反報告)
四ッ谷(プロフ) - 一つ小説の話としては、最初のしおちゃんがいないシーンですが、さとちゃんならもっと焦ってて、太宰さんの言葉もすぐ切り上げてどっかいってしまう位の子だと思われますよ〜!(でもそしたら文ストとの関わりが無くなるのか?) (2018年10月30日 17時) (レス) id: fcad229650 (このIDを非表示/違反報告)
四ッ谷(プロフ) - そもそもさとちゃん自体がいない…?何方にせよ、ハピシュガが大好きな身としてはあまり好ましくない設定なので、今一度設定を見直して頂くか、類似設定の別物(異能の名前を変えて、しおちゃんは別の名前の女の子にするなど)していただけると幸いです。 (2018年10月30日 17時) (レス) id: fcad229650 (このIDを非表示/違反報告)
四ッ谷(プロフ) - あの、3話までしか読んでないのでその後の設定に関わる様なら申し訳無いんですけど、さとちゃんが夢主と成り代わってる時点でそれってもうハピシュガの設定を借りただけの別物ではないですか…?これだとキャラ崩壊以前の問題の様な気がします。 (2018年10月30日 17時) (レス) id: fcad229650 (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - 最近ハッピーシュガーライフのアニメを見てたのでコラボ作品を見つけてテンションが上がりました!とても面白くて好きです!これからどうなっていくのか楽しみです、更新頑張ってください!^^ (2018年9月12日 17時) (レス) id: 8afcf3da14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kiri | 作成日時:2018年9月7日 23時