恥ずかしがり屋と呪言師 (ページ6)

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３話ページ6

突然の五条先生の登場からあれよ、これよ、と勝手に話が進み、私以外の3人は任務に行ってしまった

「Aは任務終わったばっかで呪力カラカラだし？お留守番よろしくー
変わりに２年と合同練習ねー
色々教えて貰って、言ってあるから
あ、その前に硝子のとこ行って傷治してもらいな
それじゃあ、行ってきまぁす」

さっきの任務で呪霊の手が顔に掠め切ってしまい、絆創膏貼ってたけど、結構滲んでしまっているのにバレていたようだ

硝子さんのとこ行くの？

医務室どこ？だっけ？

4人を見送って医務室を探すが見つからない

そもそも歩いてるところが違うのか

キョロキョロと前を見ずに探してたのがいけなかったようで、廊下を曲がった時に誰かにぶつかって尻餅をついた

「こんぶ？明太子？」

不意に聞こえた声に外れたフードをかぶり直し、「大丈夫です」と顔を上げれば狗巻先輩が心配そうに手を延ばしていた

「あ、えと、ありがとうございます……」

「あーいたいたA！」

と第三者の声が聞こえて思わず手を引っ込めて自分で立ち上がった

「良かった、棘が見つけてくれたのか」

「しゃけ！」

狗巻先輩の横に並んだのは真希先輩だったが、急に狗巻先輩が顔を青ざめさせて「たかなっ！！」と私を抱き上げた

あまりの行動に「やだ！おろして」と抗議したがその声は届かず「おかか！！」と制されてしまった
思わずびくりと肩を揺らし、「うっ」と言葉を詰まらせ涙を浮かべると狗巻先輩は目を見開き、「高菜、ツナマヨ？」と走りながらも頭を撫でてきた

頬がじくじくと痛み、触るとさっきのぶつかった衝撃で傷が開き、絆創膏では足りないくらいに血が流れたようだ

狗巻先輩は「いくら？」と時折こちらを見るがなんと言っているのか分からずに曖昧に「はい」と答えたが失礼すぎるよね

「ツナ、ツナ」と器用に扉を開けた先には硝子さんが座っていて、「おー、どうした？」とこちらに目線を向けた