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相変わらず適当な担任のおかげで、棘先輩と任務になり車に乗り込んだ

「気をつけてな」

真希先輩たちに見送られて車は出発した

任務の内容をiPadで確認するとなんだか視界が揺らぐ
疲れてるのか頭がぼーとしてるのもなかなか抜けない
しっかりしろ!と気合いをいれようと自分の頬を叩けば思ったより強かった音がしたからか、「たかな?!」と棘先輩が振り返った

「驚かせちゃいました?ごめんなさい」

「おかか」とぶんぶん振り、「明太子?」と首を傾げていた

「ちょっと気合い入れです」

笑ってみせると「ツナ!」と棘先輩も頬をぱちんと叩いて「いくら!」と微笑んでいた

「ん、同じですね」

任務前だと言うのに穏やかな雰囲気すぎて補助監督さんも「仲良しですね」なんて微笑んでいた

「ここですよ」

おろされた先は小さな神社が見えた
参拝者、崇拝者がいないのだろうか
神社は荒れ、廃れていた

「なんて寂しいところなの」

まわりを見渡すと本当に呪霊がいるのだろうか
とても静かすぎてこわいくらいだ

「ツナ?」

「ちょっと滝の音がするんです
多分、禊をするところ
待っててもらえませんか?」

不思議そうにしてた先輩も私の言葉にさすがに首を振っていた

「おかかっ!」

強く拒否を示す先輩はきっと折れない

「先輩、禊の場所ってね
巫女にとって、神様に近づくために身体を清めるのにとても神聖な場所なんです
それでも来ます?」

「ツナ!」と意を決したかのように頷く先輩は私の手をぎゅっと繋いだ

本当は1人で行くなんて怖かった
不安しかなかった
先輩が着いてきてくれるなんてとても心強い

入り口だろう場所を見つけ、足を踏み入れると空気が淀んでいる気がした

でもやっぱり呪霊というよりなんか違う

一歩一歩、進むのに悲しみが伝わってくる

「見つけた」

今まで繋いでくれていた手を離し、少し走ると拓けた場所に滝が見えた

▽→←13話



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作者名:ゆきはな | 作成日時:2021年4月27日 22時

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