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「はい」と恵くんにホットミルクの入ったマグカップを手渡すと「悪いな」と受け取った
「こっちこそ、ごめんね
荷物も持ってきてくれたのにずっと待たせちゃって」
「いや、俺が勝手にしたことだ」
「それで、この傷なんだけど」
本題に入ると恵くんの目線がこちらに向いた
「今ね、呪力を一定に保つ特訓してて、保てないと呪骸のぬいぐるみが噛みついてくるの
そしたら、あちこち傷だらけになっちゃって……」
ちらりと様子を伺うとまだ疑っているようだ
「疑うのなら、後は五条先生に聞いて。その訓練考えたの先生だもん」
まさか虎杖くんと一緒に修行してたなんて言えないし
「五条先生とねぇ」
「そうだよ?でもほとんどDVD見てるだけで、五条先生いないことの方が多いかな?お部屋でみちゃうと騒いで隣の部屋の真希先輩のご迷惑だし」
もちろん、うそ
でも納得したのか少し考えてから「そうか」と呟きそこから突っ込んでくることはなかった
「悪かった、疑ったりなんかして」
「全然、むしろ黙っててごめんなさい
ちゃんと話してれば心配かけないですんだのに」
「いや、俺の思い違いだったんだ
気にすんな」
思わずふふっと笑ってしまう
「何笑ってんだ」
「やっぱり優しいなと思って」
「そんなことねぇ」と照れたのかそっぽを向き、時計を確認すると「悪い、長居したな」と立ち上がった
「帰るの?ごはん食べてかない?」
「そうしてぇんだけど、この後、任務入ってんだわ」
「え?そうなの?ごめんなさい
じゃあちょっと待って!」
慌ててキッチンに駆け込み、炊飯器を覗けばまだご飯が入ってるのが確認し、冷蔵庫からシャケフレークと梅を取り出した
「良かった」と一息吐き、手早く手を洗いラップでおにぎりを握った
小さめのランチバックに保冷剤を詰め、そこにおにぎりの入った包みを入れた
「これ、良かったから食べて
ある物で作ったから美味しいかは分からないけど」
恵くんにそっと差し出すと「いいのか?」と驚いた顔をしていた
「うん、今日のお詫び」
「ありがとな」と嬉しそうに笑顔を綻ばせている恵くんに「いってらっしゃい」と部屋から送り出した
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作者名:ゆきはな | 作成日時:2021年4月27日 22時