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k「え?いやちょっと待ってよ」
突っ走りすぎた自覚はあるが善は急げだし。
どうせこの考えに肯定的ではないだろう彼には
とぼけておかないと。
f「えぇ?」
おどけた感じで言うと睨まれた。解せない。
f「はぁ…帰らないとでも言いたいの?」
k「うん。僕は大丈夫だから。気にしないで。」
と真っ赤な顔で言われる。説得力がまるでない。
f「いやいや河村、考えてみなよ。風邪だったら周りに移して罪悪感で押しつぶされるのは河村でしょ?軽いうちから休んでおいた方が良いんだって。」
これこそマシンガントーク。河村には悪いけど、
絶対に引くつもりはないからね。
結局、河村が折れてくれて2人で"河村の家"に帰ることになった。
何か察しでもしたのだろうか。よく分からないが
にやにやとしている伊沢が送り出してくれて
まだ少し寒い外を2人で歩く。
周りに人も居るし酷い扱いは受けないであろう。という考えもあり会社では積極的に話しかけた。
けれど2人きりだとやっぱり少し気まずくて、
普段は無言さえも心地よい相手なのに、なんて
考えれば寂しくなってくる。
たまーに出てくる自分の心の弱さを目の当たりにしてしまいぼんやりと歩く。
k「あのさ…この前はごめん。勝手に飛び出して」
急に話しかけられて驚いたもののこれは好都合。
f「いや…俺も言い方強かったし…ごめん。」
とお互いに謝りまた無言になる。
だけど空気は明らかに変わっていて、気まずさからの無言では無いことは明白だった。
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作者名:めろんぱんあいす | 作成日時:2020年11月12日 21時