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河村のふらつきを見たものの特に何も無い平穏な日々が過ぎていき、1週間が経った。
お昼休憩を取ったあとだろうか、明らかに顔の赤い河村が居た。
どうせ熱でもあるんだろう。
f「はぁ…河村…。」
思わずため息を吐きながら話しかけてしまった。
k「えっと…どうした」
f「熱あるでしょ。」
k「はっ………?」
まさか、なんて風に言葉を発して彼はこちらを見る。
気づいてない…?いや、そんなこと河村に限ってありえないだろう。
f「こんなに顔赤いんだもん。絶対そうでしょ」
河村の額に手を伸ばす。思った通り熱はありそうだ。
f「うわっ…あっつ…。これ38度くらいあるんじゃない?」
顔が歪む。こんなに熱いとは思ってもなかった。
k「あはは。大丈夫だよ。全然元気だし」
にぃ、と口角を上げた彼の顔はすごく辛そうで,とてもじゃないけど笑ってるとは言い難い。
f「河村…それ笑ってるつもり…?辛そうな顔してるじゃん…」
k「それは…大変だなぁ…。」
まるで自分のことでは無いかのような返答。
f「他人事じゃないんだからさぁ…」
f「帰って休みな?」
k「えっやだ。」
少し食い気味にまで感じる速度での否定。
f「は?」
こんなの,つい低い声も出てしまうよ。
k「……え」
河村が呆気にとられているだろう間に伊沢に向かって言葉を投げる。
f「ねぇ伊沢ー!」
I「はいー」
f「河村熱あるから帰らせてもいいー??」
I「いーですよ〜」
f「ありがとう!俺も半休取らせてもらう!」
I「はーいお大事に〜」
ホワイトな会社で有難い。
f「河村〜行くよ〜」
早くこいつを休ませなければ。そう思って
未だ困惑している彼に声をかけた。
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作者名:めろんぱんあいす | 作成日時:2020年11月12日 21時