78 追憶/ あなたの役は ページ28
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「……」
いつしかお披露目ライブで不安になって座ったベンチに、また座っていた。体育座りをして。気づいたら夕方になりそうな時間。
もうどれくらいこうしていたかも覚えていない。
それほどAの頭の中には天祥院英智の言葉がぐるぐると回っていた。
「フフフ、A…こんなところにいたんですね。
隠れずに姿を現して…鬼としては探しがいがなくて残念です！」
「…渉くん」
「夏目くんが心配してますよ。貴女が無謀な事をするから、その度あの子は頭を抱えて私は面白いんですけど。…お隣、いいですか?」
「…ダメ」
「え〜どうして断るんです〜?」
「嘘、いいよ」
渉くんが横に座るのを感じて、下げていた頭を上げる。
しかし目線はそのまま下に下げている。渉くんの顔を見れないから。
「ありがとうございます。優しいですね、貴女は」
「あはは、座っていいよって言っただけなのに大げさだなぁ」
「本当に?」
「え…」
「私達のために怒って、酷い事も言われて。貴女はそのまま悲しんでいるだけでよかったんですよ、それこそね」
「…」
「とても優しい子です。…でも、もうそんな事絶対にしないでください」
どうして、と声にならない言葉が空気になって口から出る。
怒ってる。渉くん、いつもの優しい顔じゃない。
( …何で? 何で、私が怒られるの? わかんないよ、バカだから。天祥院英智に怒ったのは宗くんのためだとか褒められたいとか、そんなつもりでやったんじゃない。でもさ、でもさぁ…… )
__ 「…Aハ、やっぱり何も知らないんだネ」
__ 「本当に君は何も知らないんだねぇ…」
__「君は“五奇人”のそばにいるだけの人形なんだよ。無知で愚かな操り人形…」
みんなが…最初から、全部教えてくれればよかったのにって、思っちゃうんだよ。
「っ……言ったでしょ私、お姫様にはなりたくないの」
「…」
「みんなが“五奇人”って呼ばれてることもどうでもいい底辺たちがみんなをバカにしてるってことも知らなかった…！友達、なのにっ…！でもこれからは何とかしたいの！またあんなこと起きちゃう前に…」
“fine”、天祥院英智に何かされないように。
Aは“五奇人”を守りたい。
現状を知って何もしないなんて、そんなのありえない。
「── 貴女には何もできませんよ」
ありえないのは
「登場人物にもなれない貴女は、いらないんです」
私の方だったの?
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かげやま(プロフ) - mmkさん» コメントありがとうございます☺️ かっこよくてカリスマがある俺零を書けてるか不安だったのでそう言ってもらえて嬉しいです〜😿！mmk様もお体にお気をつけてお過ごしください！更新頑張ります✊ (2022年8月15日 11時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
mmk(プロフ) - すごく面白いです…！！俺零様がとても好きです…！！これからも体調崩さない程度に頑張ってください！更新楽しみにしてます! (2022年8月15日 11時) (レス) @page43 id: 27732d5374 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年7月13日 14時
