44 追憶/ ギャップ ページ44
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衣装に着替えてステージ横に座ってるいると、明るい声で名前を呼ばれた。Aはその訛ったイントネーションで誰かが分かる。
「みか、何でここにいるの」
「たまたまそこ通ったらAちゃんが座ってたから…、すごいなあ、かっこいいわぁ…!」
「ありがと」
Aの衣装は黒と灰色で統一されたロック基調。所々スパイクが付いており、フリルの付いたスカートではなく短パン。可愛らしい見た目とはギャップを持たせる衣装だった。
「…もう少しやけど、緊張してへんの?」
ギシ、と隣のパイプ椅子に座るみかは、心配そうに顔を覗いてくる。
Aと同じ黄色い瞳。
一瞬驚いたが、すぐにニッと笑い返した。
「緊張なんかしないよ!みんないるんだから怖がる必要ないもんっ」
「…」
「ステージには1人、でも客席にはみかもみんなもいる。それだけでワクワクする」
「…やっぱり、かっこええなあAちゃん」
「でしょ?」
これは嘘じゃない。本当にワクワクしてる。
右京Aという名前をこの学院に、いやもっと広く外にまで広げたい。
「…そしたら、そしたら…きっと、……が」
「え?」
「…っ何でもない!ほら、もう5分前だよ。早く戻らなきゃ私のステージ見れないよ!」
「あっほんまや!じゃ、Aちゃんがんばってな!」
客席へと戻るみかに手を振る。
もうすぐだ。バカな私が余計なこと考えたら余計なことになるだけ。
何も考えないで、伝えればいいんだ。
「──全員、私を見て」
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは!コメントありがとうございます!新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…!楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かげやま | 作成日時:2022年4月2日 0時