40 追憶/ 仕組みと馬鹿 ページ40
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「どう? 学校は楽しいかい?」
ニッコリ。
目元にシワが集まって、頬杖をつく社長さん。
白髪混じりの七三分けで如何にもハンサムやダンディと言った言葉が似合う男性。
Aは嘘偽りのない素の笑顔で首を縦に振った。
「勉強はやっぱり苦手だけど、友達もできてアイドルもできて楽しいです！」
「あはは、そっか。勉強は苦手か。…まぁ、これは前にも言ったけどAちゃんは歌って踊れるアイドルでいればいいからね。勉強なんかしてる暇ないくらい忙しくならないと」
「はい！頑張りますっ」
社長さんはAの元気のいい返事に頷いて、またニッコリと笑う。
この人は今やAの保護者代わりに当たる。書類上で何か繋がっているわけではないけれど、一人暮らしをするための費用や生活費は全てこの人から出してもらっているらしい。
だから常に感謝しろと施設長に固く言われていた。
Aのワガママに応じて社長さんと上手いこと繋がってくれた施設長にも頭が上がらないというわけだ。
「ところで今は地下ステージでしかライブができてないみたいじゃないか」
「あ…管理してる人と仲良くなれて、そこでずっと貸してもらってるんです」
「なるほど。だけどそろそろ大きいところにも行かないと。君は時間がある訳じゃない、高校生からの花咲きなんて遅い方なんだよ」
「はい…」
「だから、僕が手配しておいた」
「え…」と声が漏れる。
相変わらず社長さんはニッコリ笑顔でAに何かを考えさせることを放棄させているようにも思える。
この何も言わせない雰囲気が、少し苦手だった。
「今週末、夢ノ咲の講堂で右京Aをお披露目するんだ」
「…」
「この結果次第で何かが変わる。もしかしたらテレビ出演が決まるかも。…失敗はありえないからね」
「…っは、はい！」
失敗は、ありえない。
成功したら、テレビに出られる。
( …もし、もしテレビに出たら……)
Aはギュッと固く拳を作って、下唇を噛み締めた。
「楽しみにしてるね」
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
