21 追憶/ 魔法 ページ21
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テスターという言葉に聞き覚えがあるのか、「あ」と呟く夏目のセンパイ。Aは驚く彼に自分で説明しようとしたが、夏目が勝手に喋り出すからじっと口を閉じている。
( 夏目ってよく喋るなぁ )
入学して1ヶ月も経っていないけど、どうして夢ノ咲に女の子がいるのかと驚かれることにもう辟易としていた。
今もきっとそれが表情に出ていたに違いない。
夏目は気を使って代わりに喋ってくれたんだ。
「思い出しました！確か英智くんがそんな事を…いやあ、時代も変わりましたよね！あ、俺は青葉つむぎって言います。よろしくお願いしますね」
「私は右京A。夏目のセンパイ、よろしくね」
「その呼び方今すぐ変えロ」
「…青葉先輩、よろしくね」
にっこり、優しそうな笑顔で微笑まれて、今度はAが驚いた。
夢ノ咲で初めてこんな穏やかな人に出会った。
Aはどう返したらいいか分からなくて、咄嗟に夏目を見る。
「ン?」
「えっと……」
「それにしても可愛い子ですね〜、昔の夏目ちゃんに負けてないです、ねっ!?」
「わぁクリティカルヒット！」
「……センパイ、もう用が済んだなら帰りなヨ」
「う、痛い…」
青葉先輩のおでこにヒットしたビーカーは割れることもなく床に転がっている。お互い、運が良かったな。
ひょいっとビーカーを拾って夏目に渡せば、「『ありがとう、良い子だね』」と言われたのでAは心が明るい気持ちになった。別に今まで凹んでいたわけではないが、褒められて嬉しいという感情が心を埋めつくしたのだ。
嬉しさのあまり、「うん！」と元気よく頷き満面の笑みを返した。
「……キミ、そんな風に笑えるんダ」
「え? あっ、青葉先輩！おでこ赤くなってるから陣くんのとこ行った方がいいよ！」
「うう〜、そうします。じゃあお2人とも、俺は失礼しますね」
「フン」
「お大事に〜」
おでこを抑えながら肩を落として出て行った青葉先輩を見送る。
「ね、夏目！明日は教室来る?」
「さァ……多分行かないかナ」
「じゃあ明日もここに来ていい?」
「…」
「夏目、一緒にいて楽しいからもっと話したい！」
「好きにすれバ」
「うん、好きにするね！」
それからAは、レッスンをすることも忘れて外が暗くなるまで夏目と話していた。
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
