15 追憶/ 始動 ページ15
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テスターの話を説明すると、薫くんは「へえ…」と興味深そうに聞いてくれた。
「俺全然学校行ってないから知らなかったよ」
「そうなんだ。それでね、経験を積まなきゃいけないからここ借りたいんだけどいつ空いてる?」
「ああ、今空いてるから今使っていいよ！」
「え?」
「や〜実はさ、昨日あの朔間零が来たから、あそこにいる人たちのボルテージが高まったままみたいで」
そう言って、薫くんは不良どもを指さした。
( さくま…れい…? )
聞いたことのない名前だ。あの、とつけるくらいだからAも知ってる体で言われたけど。Aの反応を見た彼は「知らない? 珍しいね」とも言ってきた。
「でも歌いもしないからどうすんのかなーって思ってたところだったんだよね〜。Aちゃんの歌聴いてみたいし！今上がっちゃいなよ」
「えっ、あ」
「ん? どうかした?」
「……なんでも、ない」
衣装はないから夢ノ咲の制服のままで歌う。見た限り整備も整ってるみたいだし、何とかなりそうだ。
いきなりの展開に追いつかないAだったが、もうやるしかないと腹を括った。
薫くんにオケを渡してステージに上がる。
「お、Aちゃんじゃん」「なんだ歌うのかー?」とこの前ちょっかいを出してきた時みたいな野次を飛ばしてくる不良ども。
「えっと、…マイクだけでいっか」
「ごめんねAちゃん、イヤモニとか用意できてないからないんだ！」
「大丈夫」
軽くマイクテストをしてから薫くんにOKのサインを出した。
そして、イントロが流れ始めた。
想像と反したロック調に不良たちは驚いた顔を見せて、「うおおお！」と腕を上げた。
「♪ーーッ！」
Aの特徴のある高い声がスタジオに響く。
続くのはスピード感のある歌詞並び。
薫くんは「わあ……」と驚きの声をもらした。
「てっきり可愛い路線かと思ったのに…」
まさか昨日の朔間零と同じロック調だとは。
可愛い見た目に騙された。いや、言い方が悪いな。
ポップな曲を歌うと思ったんだ。
( でも……似合うなあ )
さっきまでは可愛く見えていた女の子が、黒い髪の毛を揺らして黄色い瞳をギラつかせているのを見るとそう思わざるを得なかった。
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
