13 追憶/ はじめまして ページ13
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Aのカーディガンは真新しい薄黄色の物で、ボタンは黄色で透明がかっている。何でその色のカーディガンなのかと聞かれれば、Aの瞳の色が黄色だからと答えるだろう。
そのボタンが、Aの手のひらに乗っかっている。
「はい、これその人形の目につけなよ」
「そ、そんな悪いわ」
「このまま探してても見つからないもん。それにさ、」
「ん?」
Aが自分の瞳を指さし、次にみかの右の瞳、人形の外れた方の目。
「3人とも同じ色、その人形はみかとお揃いの綺麗な瞳になるんだよ」
それってすっごく嬉しくない?
目がなくなるくらいの笑顔、みかは自然と見惚れてしまって。
自分の瞳がコンプレックスだった。これを持つってだけで色んな人から色んな目で見られて嫌な気持ちになる。嫌な言葉も言われた。自分は異端なんだと考える日もあった。
なのに、この瞬間。
この瞬間だけは、左右の瞳を持っていることが嬉しい気持ちになった。
「それ、ええなあ」
「ね！今元の目が見つかったとしても、多分…ううん絶対似合わないよ。この子には私とみかと一緒の黄色が似合う！」
「そうやなあ…」
「…ねえ、本当にいいと思ってる? なあなあの返事多くない?」
Aはそうやって疑うけど、本当に良いと思っている、どころかこの言い表せない感情でいっぱいいっぱいになってしまっているのだ。
( ふふ、綺麗な瞳やって )
彼女がお世辞を言うような性格ではないと、この短時間で分かったからこそ胸にすんなり入ってくる。
「おれ、Aちゃんと友達になりたい」
「うん。いいよ、友達になろう」
「ぅ、えっ!? そ、そんなすぐにOK出すん…!?」
「はぁ? 友達になろうって言ったのはみかでしょ！」
「んあ、でもさっき友達にめちゃくちゃこだわり持っとったから…」
「こだわり…? あー、あれは…だって友達になろうって言ってないのに友達だよねって言われても」
「そういうシステムなんや…！」
当然だと頬杖をついている。気を使えば使うほど損をするタイプらしい。
この子は正直で真っ直ぐな子、裏表も持ってない。
呆気に取られて、1周回って笑いが込み上げてきた。
「なんで笑ってるの」と怒るA。
「っふふ、おもろい子やわぁ」
「だから何が」
「なあAちゃん、」
みかは人形をぎゅっと抱きしめた。
「この子に目ぇくれてありがとうな」
友達の証は1個の黄色いボタン。
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かげやま(プロフ) - みそらーさん» こんにちは！コメントありがとうございます！新作です〜🥳こちらこそ楽しんでもらえるようにがんばります✊ (2022年4月2日 15時) (
レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
みそらー(プロフ) - し、新作ですか…！楽しみです。自分のペースで、応援してます!! (2022年4月2日 15時) (レス) id: 6e5a03b04b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年4月2日 0時
