233 見つけてくれた人へ ページ33
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私はすごく嬉しかった。理人くんの子、私の子。
なんて素敵な子どもが生まれるのだろう。そんな気持ちでした。
しかし理人くんはそうではなかったようで、妊娠がわかった時には嬉しそうな顔をしていた彼が、体調不良になる私を見ては「子どもいらなくない?」と言ってくるのです。
最初こそは何言ってるの、と笑い飛ばしていましたが、つわりがひどくなるにつれて「今から堕ろしに行こう」「わこちゃんがいれば子どもなんていらないから」と説得してくるようになりました。
「いやだよ、産むよ、私」「でもわこちゃん…」
「これ普通だから。妊娠したらつわりがあることくらい理人くんも知ってるでしょ?」
「…わこちゃんの栄養も体力も奪う赤ちゃんなんていらない」
お願いだからそんなこと言わないで。と毎日思っていました。
この子は私とあなたの愛をいっぱいもらって幸せになる子なのに。もしかしたら聞いているかもしれないのに。
そして私は産みました。Aという女の子を。
まだ赤ちゃんなのに顔は理人くんにそっくりな気がして、私に似なくてよかったねと心の中で囁きました。
理人くんは、喜びよりも先に安心していました。
私が無事だったことに安心していたのです。
この時から私は理人くんに対して恋愛感情を向けることができず、Aを大事に育てようとひとりながらに決意しました。
案の定自分よりもAを優先することに怒り、暴力を振るうようになり、何より1番驚いたのは私が寝ている時にAの首を絞めていたことでした。静かだな、と目を開けると横でAの首に手をかける理人くんが。
「何してるの!?」「……わこちゃんが俺のこと見ないから」「そんな…理由で……！」「そんな理由? わこちゃんは俺がどうでもよくなったってこと? …別に男でもできたんだ」
「できるわけないじゃない！私は家から1歩も出てないのに…！」「それって家から出たら男作るってこと?」「違うよ、もう…いい加減にしてよ……」
正直うんざりでした。Aの育児にも疲れているというのに、理人くんは何もしない上にAを殺そうとする。
自分の子なのに。どうしてこんなことができるのかと思う毎日。
Aが言葉を話せるようになってもそれは続きました。
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かげやま(プロフ) - 名無し62063号さん» コメントありがとうございますෆ ̖́- 長かったですよね、うれしいです（ ; ; ）！めちゃ重すぎてドン引かれないかドキドキしてたのでそう言ってもらえて安心しました…笑 更新頑張ります🥺💞 (2023年1月9日 22時) (
レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
名無し62063号(プロフ) - 一気にここまで読んでしまいました、、。主人公ちゃんの設定がめちゃ重いのがとても好きです！！更新楽しみにしています。 (2023年1月8日 1時) (レス) id: 45bc00c6c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年12月2日 0時
