188 イベント/ ありがとう ページ38
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30分程経過して、生配信は幕を閉じた。
( …何事もなく終われた )
さっそくお守りの効果出たのかな、とテーブルに置いておいた紫色のボタンを握る。
「Aちゃんお疲れ様！楽しかった?」
「…」
「『普通』? それって良い方に読み取っても平気?」
あはは、なんて笑いながらタブレットを操作するあんず。
途端、もう少し気の利いたことを言えばよかったと後悔した。
こんな機会を作ってくれて、衣装や部屋も準備してくれたのだから。普通、なんて言わずにもっといい言葉を書けばよかった。
思えばAが声を出せなくなってから支えてくれたのも心配してくれたのもあんずだった。事務所はアイドルとしての右京Aを心配しているだけであって、A自身を見てくれてるわけじゃない。…そういう契約をしているのだから仕方ないが。
__ (…私が声を出さなくても何かできないか、ずっと考えてくれてたの? )
__「あ！この仮装にしようって決めた人、そういう意味も込めて…Aちゃんの声も戻りますようにって願掛けしてるのかも…！」
「……」
「よーし、じゃあ私部屋の片づけするからAちゃんは着替えて」
「ぁ、んず」
「……、え?」
あんずが顔を上げて、Aの口を見つめた。
咄嗟に喉に触れる。
__ 今、声出た。
口から掠れた声が、出た。
「…Aちゃん、声…」
「こ、ぇ、でてる…?」
「…うん、うん…っ、出てるよ…！」
あんずが泣きそうな顔で近づいてくる。
「ぁ"…ぁ…」
「どうして…急に…」
「わかん、ない。でも、あんずに…言いたいこと、あって」
「…言いたいこと?」
そう。メモ帳にもスケッチブックにも書きたくなくて、声で伝えたかった言葉がある。
改めて言うのは気恥ずかしい、でも言わなくちゃいけない言葉。
「── 私のこと、見てくれて、ありがとう」
ぎこちないイントネーション。言い終わりにやっぱり恥ずかしくなってはにかんでしまったけど、目を見て言えたから100点満点だろう。
気づいたらあんずはツー、と涙を流していて。
「えっ…あ、ごめん。泣かせるつもり、なかっ」
「ううん…っ！嬉しくて…」
「…」
「Aちゃんはやっぱり笑顔が似合うよ」
あんずはそう言うけれど、今の自分の笑顔の方がよっぽど綺麗でかわいいよと思う。
これ以上泣かせたくないから口にはしなかった。
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かげやま(プロフ) - 瑠衣さん» コメントありがとうございます。遅くなってしまってすみません…（ ; ; ）引き続き楽しんでもらえるように更新頑張ります🥹🫶 (2022年10月24日 11時) (
レス) @page21 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きがすごく楽しみです、、！ (2022年10月23日 20時) (レス) @page21 id: 04c1c43a5d (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - めぐるさん» コメントありがとうございます。このあと先もドキドキを届けられるように更新頑張ります✊読んでくださると嬉しいです〜🫶 (2022年9月30日 10時) (レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
めぐる(プロフ) - 更新のたびにどきどきしてます！がんばってください！ (2022年9月30日 10時) (レス) @page7 id: 3d1c15bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年9月29日 6時
