170 ルックバック/ 握手会 ページ20
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Aのいちばん古い記憶は母親と別れたあの日だと、そう思っていた。詳しく言えば時系列が分からず、断片的には覚えているものの“そういう”ことにしてきた。
だから夏祭りの日。あれはもしかしたら妄想なのかもしれないと、そう思っていた。
____ 今日が来るまでは。
「Aちゃん、目開けていいよ」
「はい」
「うん。かわいい！長時間になるだろうし崩れてくるかもしれないけど…休憩中に直せたらいいね」
「はい。でも見た目はあんまり気にしてないから大丈夫ですよ」
「エッ駄目だよ!? ファンの人たちはAちゃんに会うために可愛くかっこよくしてきてるんだから！Aちゃんもそれ相応の態度で挑まないと」
鏡越しに興奮するメイクさんを見て、Aはそーなんだと他人事みたく頷いた。
一応メイクさんを気遣ったつもりだったのだが。
やっぱり難しいな、人の気持ちを汲み取るのは。
自分の顔は可愛いと思う。誰にでもそう言われているから。
だから化粧が崩れてようがどうだっていいのだ。
( …ピンクの髪の毛でツインテールしてるの、全然見慣れないな。私じゃないみたい。)
ママ譲りの黒髪だったはずなのに。
「どうした? 何か気になるとこあった?」
「…ううん！何でもないです」
「今日の握手会はすごいんだよね、大規模で…。1500人の枠に1万人以上の応募があったんでしょ?」
「へえ、知らなかった。ドラマのおかげで多いとは聞いてたけど」
「…相変わらずAちゃんはファンの人に冷たいなあ」
「? 冷たいですか」
「うん。無頓着だよね。ダメだよー? 大事にしないと」
冷たい? 無頓着?
他人にそうなのは当たり前じゃない?
( 分からないなぁ、この人、相性悪いかも )
モヤモヤした気持ちで立ち上がるとスタイリストさんが2人近づいてきて衣装のしわを整えてくれた。
ファンの人のことなんて考えたことがない。
いや、エゴサをしてファンが喜びそうなことを実際にやっているのだからこれは十分ファン思いじゃないか。
今日の握手会もファンの人を喜ばそうと頑張るつもりなのに。
「右京、時間だ。行くぞ」
「はい」
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かげやま(プロフ) - 瑠衣さん» コメントありがとうございます。遅くなってしまってすみません…（ ; ; ）引き続き楽しんでもらえるように更新頑張ります🥹🫶 (2022年10月24日 11時) (
レス) @page21 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 更新ありがとうございます！続きがすごく楽しみです、、！ (2022年10月23日 20時) (レス) @page21 id: 04c1c43a5d (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - めぐるさん» コメントありがとうございます。このあと先もドキドキを届けられるように更新頑張ります✊読んでくださると嬉しいです〜🫶 (2022年9月30日 10時) (レス) id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
めぐる(プロフ) - 更新のたびにどきどきしてます！がんばってください！ (2022年9月30日 10時) (レス) @page7 id: 3d1c15bfdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年9月29日 6時
