103 裏取引 ページ3
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夜となれば暑さも多少薄らぐ。
零はそんな時間帯に校内を歩いていた。
「おお、嬢ちゃんや。こんな遅くまで仕事とはご苦労な事じゃ」
「…朔間先輩。元気そうですね」
「こう見えて結構しんどいぞい。8月に入って暑さが増してるせいか、毎日悪夢を見るようになった」
「今年は例年より暑いって言いますから」
「それは去年も言っておったのう。まったく、毎年毎年やってられんわ」
零の愚痴に、あんずは呆れたように「はは…」と苦笑いをした。共感してくれるかと思いきや、そうでもないらしい。
偉いのう、仕事をそんなに自発的にやるなど。
うちの“UNDEAD”の連中にも見習わせたい所だ。
後輩ふたりはまだしも、薫くんやAくんは飛び抜いて消極的な故。
( …話すなら今、か )
そう思った零は赤い目を細めてあんずを見やる。
「そういえば、近くで海の家を営んでる友人から助けを求められてな。近々ライブをしようとしているのじゃが…嬢ちゃんに手伝ってもらえぬか?」
「私でよければ…」
「本当かえ? 急な頼み事をしてすまんのう。その分どんな形にしても文句は言わんから、よろしく頼むぞ」
「分かりました。…あ、そうだ！」
何かを思いついたのか、いきなりあんずが書類を見せてきた。今まで腕に抱いていたファイルの中から出てきたものだ。
あんずはニコニコと笑い、こう言った。
「“流星隊”が明後日、海でライブをやるんです。その海の家がある海と同じところで…、合同ライブなんてのはどうでしょう?」
「…“流星隊”と。いい提案じゃのう。さすが嬢ちゃん、頼んで大正解だったようじゃ」
「急なライブですけど大丈夫ですか?」
「もちろん。これもひとつの経験の内。
……しかしひとつ言うなれば、“流星隊”との合同ライブだとAくんには伝えないでおいてくれると嬉しい」
「A先輩、ですか。…あ、そういえば先輩って確か元“流星隊”だって…、」
「うむ。出ないなんて言われたら面倒じゃ」
あんずは断ることもなくすぐに首を縦に振った。
それを見て、零はほくそ笑んだ。
( 舞台は期して整った )
あとはA次第。逃げなければいいが。
「薫くんは嬢ちゃんに任せるぞい。我輩が誘ってもどうせ来ないだろうし」
「わ、分かりました」
「うむ。よろしく」
零はあんずに背を向けて、鼻唄を唄いながら棺桶に戻った。
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suzuna(プロフ) - 凄く面白く、一気読みしてしまいました…‼︎更新楽しみにして気長に待っております(*´꒳`*) (1月18日 8時) (
レス) @page35 id: 63b5e8db0f (このIDを非表示/違反報告)
Lim - 凄く面白いです！更新頑張ってください!! (2022年3月20日 21時) (レス) @page32 id: 69ed93d6c8 (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - やまはさん» コメントありがとうございます。返信遅くなってしまい申し訳ありません…！😭 更新致しました！これからも気まぐれになりますがしていくので良かったらご覧になってくださると嬉しいです！ (2021年12月12日 22時) (レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
かげやま(プロフ) - あひる様さん» コメントありがとうございます。返信遅くなってしまい申し訳ありません…！😭 意識して厳しくしていたのでそう言っていただけてとても嬉しいです！これからも更新頑張ります。 (2021年12月12日 22時) (レス) id: d06e41bbdd (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - すごく面白くて一日で�靴泙覇匹鵑任靴泙い泙靴拭�！これから更新の予定はありますか？続き待ってます…！ (2021年10月19日 17時) (レス) @page27 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2020年5月29日 0時
