109 第1部/ 日和先輩 ページ9
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次の日は前日の放課後にあった仕事で機器トラブルがあったせいで伸ばされ、学院に行く暇もなく仕事になってしまった。
その次の日も、次の日も。立て続けに入り込まれた仕事のおかげで学院に行ける時間はなく、Aは安心した。零先輩に会うことやスバル、転校生に気まずい思いを感じる必要がないことがなくなって嬉しいというよりは、もう何も考える必要がないことが嬉しかった。
学院に行くだけで疲れてしまう。歌って踊るよりも体力を消耗する。
「Aちゃん、お疲れ様！今日も良かったよ〜」
「わー！プロデューサー！ありがとうございますっ」
「相変わらず可愛くて見てて楽しいねえ…またよろしく頼むよ」
「ぜひぜひ！」
ニコニコな顔を崩さないままスタッフや見知らぬ人に挨拶する。今も知名度や人気はあるけどもっと広めないと。右京Aを知らない人なんていないくらいに。
「あ、Aちゃん！」
「げ…」
「今の反応は見なかったことにするね、君は可愛い子だし」
「…なに、日和先輩」
「何もないね！ただそこで仕事してただけだね！」
「仕事? なんだ、隣だったんだ」
そう言うと、日和先輩は衣装を見せびらかしてきた。
彼は元“fine”で夢ノ咲から転校して行った巴日和。
なぜかAのことを認知しており、こうやって仕事で初めて会った時から馴れ馴れしい態度をとってくる。元“fine”のメンバーとなんて仲良くなる気はないAは今みたいに冷たい返しをするも、彼はめげずに構ってくるのだ。
大きい声を出して否定も出来ないから困っているのだが。
「今日はもうおしまいなんだね?」
「うん。これからラジオがあるよ」
「…相変わらず忙しくて大変だねぇ」
「うぅん…もっと忙しくしたいくらいだよ」
「どうして?」
「…学院から今年はちゃんと来るように言われちゃった。
あんまり反抗して行きたくないとかできないし…仕方ないけどね」
しまった、つい愚痴が。
いつもなら絶対言わないのに。と口を抑える。
日和先輩を見ると、案の定驚いた顔をしていた。
「…ごめん、なんでもな」
「君は偉いね、いい子いい子してあげる…♪」
「ちょっ、と！」
「ぼくからは何も言えないから撫でてあげたね」
「…、別に何か言って欲しくて言ったんじゃない。じゃあね、日和先輩」
多分この人は、優しいんだろう。
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かげやま(プロフ) - LIさん» コメントありがとうございます！ただただ私が書きたいことを書いているので、そう言ってくださる方がいることに喜びを隠しきれないです(;_;)お待たせしてしまうこともあるかもしれませんがこれからも楽しんでもらえるように頑張ります！本当にありがとうございます。 (2022年9月26日 6時) (
レス) @page44 id: cbb4c9f31f (このIDを非表示/違反報告)
LI(プロフ) - 今日の更新ありがとうございます！本当にこの物語大好きです。毎回泣きそうになりながら読んでいます！このお話の内容が本当に大好きです。これからも作者様のペースで更新頑張ってください。素晴らしい作品をありがとうございます。 (2022年9月25日 20時) (レス) @page42 id: 8345af9beb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かげやま
| 作成日時：2022年8月21日 1時
