【あんスタ】不仲の話。【男主】

13. 打ち合わせ ページ13

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「それでは、“Trickstar”と“liT”のマッシュアップ曲を合わせていきたいと思います」


リハ当日。重苦しい雰囲気のまま始まった練習。
この番組はリハ当日に合わせをするのが定番になっており、ようやくの“Trickstar”全員との対面になる。

Aはこれっぽっちも望んでいなかったことだが。

マッシュアップ曲は事前に送られてきていたため、この合わせが最終仕上げとなる。


「じゃあ“liT”は上手の方の板付きでお願いします」

「はい」「……」


眠そうに瑞生がいそいそと移動をする。

今日は特別朝が早かったわけじゃないのにこの様子。
恐らく昨日は女といたんだな、と今までの経験から予測した。

反面、“Trickstar”は和気あいあいとしているようだ。
相変わらず元気いっぱいなスバルを見ると苛立つので、Aは決してそちらに視線を向けない。


「とりあえずやってみますか」

「お願いしま〜す！」
「お願いします！」

「…」


オケが流れ出し、ダンスのステップから始まる。

( …大人数で踊るの苦手なんだよね〜 )
普段2人だけで踊ってるせいか体型移動が苦手なA。

「♪〜、〜〜」

歌い出しは上手くいったのだが、歌に集中するあまり足を上手く動かせず体がよろけた。


「いてっ」

「ったあ…！」


ごめん、と一言言おうと顔を上げた時、Aはすぐに口を閉じた。
そして何事もなかったように次の位置につき、また歌い出した。
相手も相手で謝ってくる気配はないから、今のが正しい反応だっただろう。Aは悪くない。と確信した。

そこからは特におかしな点が起こることなく曲が終わった。


「ねえ、」

「……………何?」

「何で自分のミスなのに謝らないの?」

「…あんなことで怒るなんて心狭いね。
パフォーマンス中に話しちゃいけないでしょ」

「謝らない方が人としてどうかと思うけどな〜」

「わざとじゃないんだけど」

「わざとじゃないなら余計気にしてよ」

「……」

「……」

「…おいおい、喧嘩すんなよ〜?」


衣更真緒が明星スバルの肩に手を置いて宥めるが、2人の睨み合いは未だ途切れない。
真緒は本来ならこんなに怒らないスバルの様子に少し焦っていた。






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