柱の少女の物語３〈鬼滅の刃〉

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それは、伊織からの花束を受け取ってから1週間後ほどの出来事である。


耀哉は抜きで、私の屋敷の大広間で
柱の面々と下の隊士たちの全体的な強化が必要だと皆で討論していた時の話。


「お、お待ちください伊織様ッ！只今そちらにはっ！！」


「心配しないでください、なんとかなりますよ」

空耳かな。
なぜか声が聞こえる。



「うわ、なんか嫌な予感するな」

「どうした」
そう聞くのはさっきまで俺は関係ないみたいな態度でいた義勇くん。


「いや、本当に空耳であって欲しいんだけど、アイツの声が聞こえ、」


刹那、襖をまさしくスパンと開けて侵入者のように現れた伊織


はっと振り返って一度はその瞬撃を避けたが、その次の二手目で避けきれず捕まってしまう。


得意そうな顔で耳元で囁かれた。

「俺がきらりの癖をよめない訳がないやろ？」


前方から凄い勢いで突っ込んで来る伊織。
馬鹿野郎、ハグの勢いが過ぎる。

「ちょ、」


背中に衝撃が来ると思ったけど、伊織が左手で背中を支えていたのでほぼ衝撃はなかった。

「俺の勝ちやな」


「ったあ、くなかったけど心が痛い」


「きらり〜〜！！！ひっさしぶりやな、元気しとった？」

本物のきらりや〜！って一人で騒いでいる。
そりゃあ本物だわ。近いわ。暑苦しいわ。


「っハァ？で、なんなの伊織は」

第一に出てきたのは、
「何しにきたの？」

そして第二に出たのは
「どうやってきたの？」


「きらり俺にひどなってない？偶々仕事で近くに来たっちゅうことで愛する婚約者のもとに現れた俺は完っ璧に王子様やろ。リアクションがなってないわ、テイク2いくで」


「やらないわアホ。まず退いて。まだ私の質問答えてないでしょ」

そう。このやり取り、床ドンされたまま両者数センチの距離感で行われていたのだ。


すると仕方ないなあっていう顔で私を起こす。


ああ、黙ってればかっこいいのにな、伊織。
ていうか自分で押し倒しておいてめんどくさそうな顔するって何？


「フッ、そういうとこあるで、きらり。
まあほら考えてみぃ、軍警トップ陣の月神サマにはなんでもわかるっちゅうことや」


「部下は？いつもぞろぞろいるのに」


「ちゃあんときらりの言いつけ守ってここには俺一人で来とる。安心せえよ」


「そういう問題じゃないんだけど」

俺、できる男やろ？って見てくる彼は本当に私より2歳も年上か？


「で？その仕事は？済んでるわけ？」


「まだ捜索中や。優秀なうちの班の子がやってくれとる。」
今回、結構面倒なヤマになりそうやで、と。

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