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「ありがとうございます。気を使って頂いて、、、」
「そんな事ないよ?お兄ちゃんしてる不死川さんのお話とても新鮮だったなあ。」
「もう少し、俺の話聞いてもらってもいいですか?」
「いいよ!いつまでも。気がすむまで。」
耀哉の時間までは空いてるからね。
ほっと、安心したような表情をする。
「俺、小さい頃、鬼から助けてくれた兄ちゃんに ”人殺し” って言ってしまったんです」
あー、その話か。
重くなるなあ。
「うん」
「俺、その時は状況がうまく理解できなくて。でも今ならわかるんです。あれは俺を護る為だった。」
「俺は、本当にひどいことをしたんです」
「、うん」
「だから、俺は兄ちゃんに会って謝らなければいけなかった」
話を聞いてすらもらえなかったですけど、
と自虐的に笑う。
「でも、せめて、兄ちゃんが怒っていてくれて良かった。怒ってもいてくれなかったら、俺は、もう許してもらう事すら叶わない。
だって、ただあの時のことを許して欲しくて、ここまでやってきたんですから。俺にはもう、兄ちゃんしかいないんです。」
「でもさあ、それが君の今までの原動力になってた訳でしょ?じゃあもし、不死川さんから赦してもらえたら?その後は?君はその身体で何を目的に戦うの?」
「、、、、、それは、まだ、」
「わかんないよね、でもその先も見据えておいたほうがいい。その芯がないと、最後に踏ん張れなくなっちゃうから」
私みたいに、自分の運命を、死を受け入れちゃうから。
その後玄弥くんとは別れた。
大丈夫、君が強く成長するのもわたしは知っている。おそらくもう直ぐ、共闘する機会がありそうだしね。
日が暮れる頃、わたしの屋敷に戻ると、
お手伝いさんが花束と手紙を預かっていると言ってきた。
「ちなみに誰から?」
「伊織様からです」
「なんだ伊織かよ〜〜」
受け取ってみれば、成長し今にも咲きそうな見事な月下美人、胡蝶蘭、そして藤の花など沢山の花ががふんだんに使われた花束と、
嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は
いかに久しきものとかは知る
来ぬ人をまつほの浦の夕なぎに
焼くや藻塩の身もこがれつつ
和歌が二つ、添えられてきた。
なになに。
急にそっち系に走った?誰の熱に浮かされてるの?
ってことは意味ありってこと?
月下美人は一夜も咲かない、まず咲かすことすら難しい花。花言葉は確か、儚い美。
胡蝶蘭の花は純朴の愛を表すもの。
そして、藤の花言葉は決して離れない。
そして、その和歌の意味は–––––––。
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ハク(プロフ) - 無気力人間Aさん» Aさんはじめまして、コメントありがとうございます!そんなに褒めてくださって嬉しすぎます〜〜!!励みになります!がんばってお話進めて行きますのでこれからも夢主ちゃんの旅路を見守ってあげてください! (2019年11月19日 13時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します!小説に入り込みすぎて見つけてから今までぶっ通しで読んでしまいました、、ほんとに面白くて好きです!文と文も程よく間が空いていて読みやすいです!!とてつもなく続きが気になります、、更新頑張ってください! (2019年11月19日 3時) (レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - あさん» あさんはじめまして!コメントありがとうございます〜〜!!とても嬉しすぎる言葉です、、!最近忙しくて更新難しいんですけどこの後もお話続きますので良ければご贔屓お願いいたします! (2019年11月1日 23時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
あ - すごく面白かったです(^^)、全部好きでシリーズの初めから一気読みしてしまいました…、これからも更新楽しみにしてます (2019年11月1日 18時) (レス) id: 87b58a18e6 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - Nonさん» のんさんありがとうございます〜!!めちゃめちゃ励みになります!マイペース更新になってしまうんですけどどうかご贔屓ください( ; ; ) (2019年10月5日 20時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハク | 作成日時:2019年7月29日 0時