柱の少女の物語３〈鬼滅の刃〉

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要件を聞けば、月神の刀の研磨と、竃門炭治郎、俺の刀を折るやら刃こぼれするやらどうしようもない少年の刀のメンテナンスだと言う。
それも7日以内。

「鋼鐡塚さんがいないから今は鉄穴森さんがやってくれてるんだからね？今度謝っといた方がいいよ本当」

「知らん。俺でなくてもお前の刀は仕上がるのは知っている。それに鉄穴森の方が、、、お前も楽だろう」

面倒に思うならば俺を担当から外せば良い。
慣れている。そんなことは何度もあった。
そもそも、柱のお前が何度も俺のために時間を割くことは本来の柱と刀鍛冶の関係ならばあり得ないことだ。

「あのさあ、鋼鐡塚さんって実はバカだったりする？」

突然の罵倒。意味がわからない。

「はあ！？お前喧嘩売ってんのか！？俺に！！」

「37歳の大の大人が18の小娘に何言われてるんだか。あのね、私がそんな事で嫌になる人間だったらとっくに担当外してるわ。だいたい何年の仲だと思ってるの？」

「、、、2年と半年、」

「よく覚えてるね、私そんな覚えてないや。
いい、よく聞きなよ。私はあなたの技術を買ってるの。人間性なんて二の次でいい。むしろこうやって話すのは好きだよ」

「、、は？何言ってんだお前、」

好きだよ？その言葉に心臓が反応した。何故。
風が気持ち良い夜なのに、体が熱い。

「わあ、はじめて見たかも。鋼鐡塚さんが照れてる。あ、でもいつもお面あるから見えないだけ？」

「っざけるな、おちょくってんじゃねえよガキのくせして」

そう。俺と20は違うガキのくせして。
鎮まれ、俺の心臓。落ち着け、俺は未だ鍛錬の途中だろう。

「まあいいの。要件は伝えた。お願い。7日後には大きな戦いが始まる。それまでに仕上げてくれないと本当に困る。里のみんな、、、鋼鐡塚さんも巻き込んでしまうかもしれないの」

だから、お願いと言う。
似合わねえ深刻な顔しやがって。

「任せろ。俺にかかれば4日だ、4日でどちらも仕上げてみせる。鉄穴森に言っておけ、月神の刀は次いで俺に回せとなァ」

「だから、そんな顔してんじゃねえよ。いつもみたいに生意気にあざ笑っとけ」

俺からちょうどいい位置にある、絹のような髪を撫でる。

俺を見上げる顔は月明かりを受けて艶めく。
その瞳が俺を捉えて離さない。

何だその恥じらいを含む表情は。
知らない。見たこともない。今初めて見た。
それを見ている俺まで恥ずかしくなる。

「俺以外にもそんな顔してんのかお前は、、、」

「、え？なに？ボソボソ呟くから全然聞こえないんだけど」

「いいんだ独り言だ聞くな忘れろ」

「、え？！なんで！？」

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