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「いや〜いい湯だったねえ」
「そうねそうね!ご飯も楽しみだわあ!」
うきうきるんるんな蜜璃ちゃん。
先に鉄地河原さんのとこ行くけどな。
ゆっくりと下って行くと、途中で玄弥くんに出会う。
少し傷が目立つね。
「あ、やっほ。玄弥くん」
ひらひらと手を振る。
するとチラリとこちらを見て、
「お疲れ様です」
と控えめに、頭を下げながら私には言ってくれた。わたしには。
一方蜜璃ちゃん。
「ええっ!きらりちゃん知り合いなのお!?やだ羨ましい!貴方不死川さんの弟さんよね?私は甘露寺蜜璃、恋柱なの!よろしくね!!」
怒涛の勢いでババっと行くから玄弥くんめっちゃ引いてる。
「っ、」
一瞬面倒くさそうな表情をして蜜璃ちゃんの手を振り払い、温泉へと足早に向かう。
ほぼほぼ原作通り、蜜璃ちゃんのことは無視った。
玄弥くん、度胸あるな。
「、え?ええ?え?」
蜜璃ちゃん大混乱。
流石に可哀想だしこれからお世話になるんだから挨拶くらいはしなきゃね。
「ねえ、玄弥くん」
石段を上って行く彼に私が呼びかければ素直に振り返る。
「ちょっとおいで。ちょっとだけだから」
「、っす」
私には素直かよ。できるだけみんなに素直になってほしいなあ
「はい。手、貸して」
そういえばクエスチョンマークが頭上に見えそうなくらい疑問の表情を浮かべつつ、私の前に手を出す。
それを両手で優しく包んで力を込める。
淡い月色に包まれていく。
「っ、!?」
「玄弥くんは初めてかな、大丈夫、安心して。結構体お疲れでしょう。だから私が少し治してあげる」
暖かい。何故か俺は淡い月色の光に包まれていて、軋んでいた身体が、楽になっていく。
「どう?凄いでしょ、わたし」
「こ、れは、どういう?」
「うーん、企業秘密ってことで。でも私は玄弥くんの味方だからいつでも治してあげるよ」
優しい笑顔で俺に伝えてくれる。
身長のおかげで、月神さんが俺を見上げる形になる。
長い睫毛。光を含んで潤む瞳。白い肌。包んでくれている手が柔らかい。
見れば随所随所が柔らかそう。
意識して仕舞えばそれしか見えない。
途端に恥ずかしくなってくる。
自分でも顔が赤くなってしまうのがわかる。
「、月神さん、そろそろ、」
「あー、わかった。はいお終い」
月色の暖かさが去る。手が離れる。
「ありがとう、ございました」
「いいんだよ。何度でもやったげる。あ、でも蜜璃ちゃんにご挨拶しようか。ちゃんと、ね」
置き去りにされてた蜜璃ちゃん。
私の斜め後ろ、涙目でこっちを見てる。
「蜜璃ちゃんもおいで」
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ハク(プロフ) - 無気力人間Aさん» Aさんはじめまして、コメントありがとうございます!そんなに褒めてくださって嬉しすぎます〜〜!!励みになります!がんばってお話進めて行きますのでこれからも夢主ちゃんの旅路を見守ってあげてください! (2019年11月19日 13時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
無気力人間A(プロフ) - コメ失礼します!小説に入り込みすぎて見つけてから今までぶっ通しで読んでしまいました、、ほんとに面白くて好きです!文と文も程よく間が空いていて読みやすいです!!とてつもなく続きが気になります、、更新頑張ってください! (2019年11月19日 3時) (レス) id: 59ffb7dac7 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - あさん» あさんはじめまして!コメントありがとうございます〜〜!!とても嬉しすぎる言葉です、、!最近忙しくて更新難しいんですけどこの後もお話続きますので良ければご贔屓お願いいたします! (2019年11月1日 23時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
あ - すごく面白かったです(^^)、全部好きでシリーズの初めから一気読みしてしまいました…、これからも更新楽しみにしてます (2019年11月1日 18時) (レス) id: 87b58a18e6 (このIDを非表示/違反報告)
ハク(プロフ) - Nonさん» のんさんありがとうございます〜!!めちゃめちゃ励みになります!マイペース更新になってしまうんですけどどうかご贔屓ください( ; ; ) (2019年10月5日 20時) (レス) id: 0ebe25b1eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハク | 作成日時:2019年7月29日 0時