・お兄ちゃん 12 ページ14
〜花宮side〜
原「・・・なーんか、兄妹ってゆーより恋人みた〜い」
ピクンっと、腕の中のAが反応する。
原の長い前髪の間から、普段は隠れている目が不気味に光っていた。
口元だけを歪ませた原は、疑っているような、冷たい目で俺を見る。
俺は、何も言えなかった。
“実際そうなんだ”なんて、軽々しく口にできるようなことでもない。
それに、そんな軽い気持ちじゃない。
Aは俺の胸に顔を埋めながら、不安そうにぎゅうっと服の裾を掴んだ。
俺は、どうしたらいい・・・
原「・・・な〜んて、冗談だよんっ♪」
パァッと雰囲気が明るくなった原の声に、おずおずとAは俺から離れた。
山「おい、冗談でも変なこと言うなよ。兄妹なら、抱きつくくらい普通だろ。」
ザキは、呆れ口調で原を見た。
『だよねww』なんて、原は笑っている。
“変なこと”、“兄妹”、“普通”・・・
ザキの何気ない言葉1つ1つが、胸に突き刺さるようだった。
瀬「で、良いの?次、妹ちゃんは誠凛と試合だよね。」
あくびをしながら、瀬戸が時計を指差した。
主「うわぁっ、もうこんな時間!?」
音を立てて立ち上がるA。
悲しそうな瞳(め)で、俺を見つめた。
そんな顔、すんなよ・・・
会いたかったのも、触れたかったのも、お互い様なんだ。
それだけで俺は、もう良いから・・・
花「行けよ。」
俺の中の、精一杯の優しい声で、微笑みながら言う。
古橋や瀬戸は、“猫かぶり”以外の俺の声を聞いて、珍しく驚いていた。
主「で、でも・・・っ」
だから、んな顔すんなって。
俺まで悲しくなんだろ。
花「また絶対、会えるから。・・・な?」
立ち上がっていたAの手を、座りながらそっと握る。
そして、Aの手の中に俺のメアドを書いた紙を入れ、握らせた。
主「うん・・・っ。またね、“お兄ちゃん”」
涙で濡れた目を瞑り、Aはニコッと笑った。
ペコリと一礼し、海常の方へ歩いて行く。
パタンと閉まったドアの音だけが、静まり返った部屋に響いた。
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令 - やばい・・・・なんかめっちゃ血が騒g(( 面白いです!更新がんばってください!! (2015年7月8日 20時) (レス) id: 7f691d36e2 (このIDを非表示/違反報告)
柚希(プロフ) - 禁断の恋っていい!しかも花宮さんの妹とかやばい!!続き読みたい!更新まってます! (2015年6月20日 22時) (レス) id: 286833bf95 (このIDを非表示/違反報告)
紀良(プロフ) - サヤカさん» ですよねっ!←ありがとうございます、頑張りますo(`・ω・´)o (2015年5月4日 14時) (レス) id: b872b9f3d1 (このIDを非表示/違反報告)
サヤカ(プロフ) - ですよね!
ヤンデレとか…最高っスよ!!!!!!!!
おっとテンションMAX高尾ちゃんになっちゃいましたwww
頑張って下さい(^o^)/ (2015年5月4日 14時) (携帯から) (レス) id: 07332ca817 (このIDを非表示/違反報告)
紀良(プロフ) - サヤカさん» ありがとうございます!ヤンデレやらメンヘラやら、歪んだ愛情大好きなんです。←更新頑張りまっす☆←パクリ (2015年5月4日 4時) (レス) id: b872b9f3d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紀良 | 作者ホームページ:
作成日時:2015年1月12日 21時