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第十四話 ページ19

Aside

月明かりを浴びて輝く毛並みをしている虎──。

そこにはもう、中島さんの面影は無かった。





虎が初めに目を付けたのは太宰さん。

直ぐに太宰さんの方へと飛びかかる。...が、勿論太宰さんは容易く其の攻撃を避ける。

其の儘虎は荷物箱へと衝突し、崩れながら砂煙を巻き起こし少しの間視界が奪われた。

まァ、僕は箱の屑に巻き込まれないよう、上手く地面に着地したのだけれども。

だが、標的(ターゲット)を僕へと変えた虎は直ぐ目の前まで迫ってきていた。

太宰さんは其れを知らせようと


太「A君!」


と僕に向かって叫ぶ。

だが、僕もこんな容易く殺られる様なたまでは無い。
視界が奪われたって音を聞けば相手の行動位は簡単に分かる。

然しけれども、正直言ってあまり体力は使いたくないし、面倒臭い。

だから、僕は態と、虎が飛び掛って来て、爪が掠るかどうかのギリギリのタイミング攻撃を避けた。

其れは良かったんだよ。其れは。


虎が飛び掛ってきた時の風で、僕の耳を隠していたフードが脱げてしまったのだ。


猫耳が顕になった僕を見て太宰さんは物凄く驚いた表情をし、その場で停止する。



太「えっ、A君...?」


そんな太宰さんを横目で見つつフードを深く被り直しす。

其れから、


『何ですか太宰さん。止まったら殺られますよ。其れにあんな目が出来る貴方なら少し位分かっていたんじゃァ無いですか。僕が異能力者だっ...』



僕が異能力者だ、という事を伝えようとして話すも、太宰さんにまた遮られる。



太「其れは何となく分かっていたよ!?でも、君A「君」では無くてA「ちゃん」だったの!?と言うか、私と心中してくれない!?」




あ、其方の方が驚いたんだ。


じゃァなくて、


『其れはまァ置いといて、取り敢えず中島さんからどうにかしましょう。心中はしません。死にたくないので。其れとちゃん付けされるのあまり好きじゃァないので、やめて欲しいです。』



そう言って僕は太宰さんと目を合わせる。

すると太宰さんは直ぐに気持ちを切り替えて、


太「えぇ..。でも、それもそうだ。其れと、ねぇ。後で話は詳しく聞かせてもらうとするよ。」


と、言ってくれた。

取り敢えず今は此方が先決だ。

其れに喋りながら虎の攻撃を躱すのには無駄な体力を使ってしまっている。


でも詳しく聞かれるのは嫌だから、中島さんをどうにかした後に良い感じの時にそそくさと逃げさせてもらうとしよう。



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中さ - 更新頑張ってください (2021年7月5日 13時) (レス) id: 0fd42ba9ca (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - 麗さん» 楽しみにして下さり有難うございます!そろそろ更新致しますので、宜しくお願いしますっ! (2021年5月29日 22時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き楽しみにしてます! (2021年5月29日 16時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
錆猫(プロフ) - サトさん» コメント、ありがとうございます!その言葉が励みになります!更新頻度を上げられるよう頑張ります。 (2020年10月16日 18時) (レス) id: c415d172df (このIDを非表示/違反報告)
サト - とても、面白かったです。続きが気になります。楽しみにしています。 (2020年10月16日 7時) (レス) id: e677a0c284 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:錆猫 | 作成日時:2020年8月16日 0時

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