episode8 体調不良 ページ8
『ん…』
目が覚める。カーテンの隙間から光が差し込む。
『えっ?!ちょっと待って?!今何時?!』
そう叫んで立ち上がろうとすると頭に激痛が走って倒れそうになってしまった。
あぁ。終わった。風邪ひいちゃった。どうしよう、取り敢えずあの上司に連絡するか。
電話の奥からは少しだけざわついている音が聞こえたけど頑張って声を出す。
『すみません、体調が悪いので今日はお休みします。』
分かったが一週間後には来るんだぞ、という上司の声に少し懐かしさを覚えつつありがとうございます、と返事をした。
なんとか立ち上がろうと試みたけど無理だった。
足に力が入らず、ベットに座り込んでしまう。
仕方なくベットに寝っ転がると痛みがどんどん増してきている気がした。
『赤、嶺せんぱい、助けて、、、』
ラインをする気力もなく私は寝てしまった。
『んぅ…?』
がさがさと起きだすと私の顔面の上には心配そうな顔をした男がたっていた。
『は…?!だ、誰?!ってか何でここには入って…?!』
「忘れちゃいましたか?あの、昨日エレベーターで会ったさとみです。」
ああぁ。そういえば会ったし見たことある顔だったわ。
『あれ、結構調子よくなってる。何かしてくれましたか?』
「俺が看病しちゃいまして、勝手に入ってすみません。ただ、貴女が部屋に入った時鍵を閉める音がしなかったもので。」
えっ原因鍵?!確かに昨日部屋入ってすぐ寝ちゃったからな。
『ここに住んでらしたんですか?!』
「はい、この部屋の2つ隣に。」
めっちゃ近いじゃん。しかも同じ階だし。
『ありがとうございます。あっ看病して下さったときマスクとか付けましたか?!』
「それは勿論です。」
なんて爽やかな笑顔で言うもんだからこっちまで笑顔になってつい笑ってしまった。
『良かったです(笑)』
「あの、一つお聞きしたいんですけど恋をはじめようって曲知ってますか?」
『えっ…///』
私の昨日の記憶がリブートされてしまった。
「昨日夜見掛けまして、その曲俺もめっちゃ好きなんですよ。だから貴女さえ良ければライン交換しませんか?昨日のことは誰にも言わないので。」
知られている。めっちゃ恥ずかしい。
『はい、分かりました…///』
「ありがとうございます!」
と言ってさとみさんは笑ったけどその笑顔は本物じゃない気がしてならなかった。
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@穂実(プロフ) - この作品、面白かったです!! (2021年8月24日 14時) (レス) id: ad54fa38fe (このIDを非表示/違反報告)
憂@ui - コメントわざわざ書いて下さりありがとうございました!これからもよろしくお願いします(*'▽') (2021年7月31日 23時) (レス) id: f2e011f80b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - このおはなしめっちゃ好きです。お疲れ様でした!これからも、作者様の作品を見続けていきます! (2021年7月31日 20時) (レス) id: 09b5dfeb8e (このIDを非表示/違反報告)
憂@ui - 本当ですか?これからも頑張ります! (2021年7月31日 18時) (レス) id: f2e011f80b (このIDを非表示/違反報告)
(´・_・` ) - 憂@uiさん» 私ななさと推しなんですけど4作目がななさとで嬉しいです! (2021年7月31日 8時) (レス) id: 58f368fc5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:憂@ui | 作成日時:2021年7月26日 20時