【桃】帰り道歌を歌っていたら話しかけられたので今から逃げようと思う。

episode３　私の先輩 ページ3

お昼休憩が終わり、三階のフロアが仕事場である私の仕事はデザイン課だ。

物のデザインをしていろんな人が使いやすい物を作る仕事。

ユニバーサルデザインを考えるお仕事ね。

因みに私の後輩2人は部署は違うけど仕事内容は大体一緒。

り「あれ、もうお昼休憩終わっちゃったの？」
『先輩、それ多大なるセクハラですよ。』
り「いやいやｗだってお仕事疲れたんだもん！」

この人は私の先輩。

赤嶺(あかみね) 莉宙(りう)

最初は身長も低くて女の人かと思ったんだけど私と初めて話した時

「赤嶺です。性同一性障害っていうのをもってて、でも仕事に支障は無いからこれからよろしくね。」

って言ってくれた時、こんなに自分の存在を示そうとしてくれる人がいるんだなって思って感動して。

何故私が性同一性障害を知ってるかって言うと高校の時に友達になった子がそうだったから。

けど、障害という診断名のせいか職場の人には煙たがられてしまっていて。

一つの個性なのに。

それから私は仕事の合間を縫って職場の皆に先輩のこととかを知ってもらうために色々準備をしていた。

それを発表し終わった次の日には先輩を煙たがっていた人が目につくほどではなくなっていた。

新しく来た上司は一つもわからないって感じだったけど。

あれ以来食事とかも一緒にするようになった。

『ふぅ、、、』
「お疲れ様！」

いやほんと可愛い。

何この生物。

私を殺しにかかってるわね？！

にこにこしてて可愛いけど休憩時間はいつもスマホいじってる面白くないのが玉に瑕。

「ふふふｗあと六時間頑張ってね！俺も頑張るから。」
『はい、ありがとうございます。』

先輩は一日二食らしい。

朝と夜。

それで本当に大丈夫か心配になる。

まぁもっと心配なのはこの会社の社長なんだけどね。

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