【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

コメント ページ15

昼頃早速コメントが来ていた。


「おお…」

まさかこんなに早くコメントが来ると思わなかった。


『高校生探偵、すごくかっこよかったです』

いくつかのコメントが寄せられる。
アバターがホームズで名前もドイルと書かれていたことからホームズ愛好家だと知る。


「可愛いな…」

コメントからして確実に子供だと察した。
これまで様々なジャンルの本を読んで来たからなのか文章を見れな大人か子供かぐらいは解るのだ。


「返事を書かないと」


読者一号さんにコメントを返す。

「どんな子なんだろう」

本名も顔も知らないホームズ好きの、おそらく男の子を想像する。


「嬉しいな」

前世でも変わらず自分の作った作品は大切な子供のようなもので、好きだと、言われるとすごく嬉しいものだわ。

そういえばこの世界じゃグッズもないよね。

前世では名探偵コナンのグッズはブランドとして売られていた。
値段も高く、手に入らないものは全て手作りしていた。

だってオタクだもん。

「久しぶりに作ろかな…」

特に好評だったのはぬいだった。


「作っちゃおうかな…でもまずいよね」

この世界ではまずいと思いながらもオタクとしては辞められない。

「キッドぬい…」

実は言うと赤井さんが押しキャラだけど同じぐらいキッドのファンだった。

グッズ製作は断然キッドが多かったのだ。

「こっそり作ろう。うん、バレなければ問題ない…うんうん」

作家活動の合間に私の欲求不満を満たしてもらうために私はキッドぬいを製作した。



「上出来だわ」

即興で作ったにしてはなかなかの出来栄えだった。

「あみぐるみも作りたい、マスコットもいいけど…刺繍もいいかも！」

ドンドン想像が膨らんで行く。


だってオタクだもん。

推しキャラがいないと寂しくて死んじゃう！


ここでは私の欲求を満たしてくれるコナンの漫画もアニメもゲームもないんだから。

ならばグッズ作るしかない！！


「そうだ写メ取って待ち受けにしちゃおうっと」

よく考えればキッドは世間を騒がせる大泥棒で有名だからグッズを作っても問題なくない？

赤井さんは、万一のことを考えたらまずいけど。
ただ単にキッドキラーだって言えば納得するはずだしいいよね！


けれど私は忘れていた。
私の父親は警察のトップであり泥棒と警察は天敵で、降谷零という男をちゃんと理解していないのだということを。

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