【名探偵コナン】降谷零に寵愛された理由

推しキャラ登場 ページ16

人間とは欲望と本能でできている。
ちなみに私は欲望に忠実な生き物だと思う。

まぁ、多少は取り繕ったりしているけど。
前世ではオタクであることは隠していなかったし恥じるつもりはない。

ただ私は世間で言う所の傷物令嬢。
学園を追い出されて、尚且つ婚約者に婚約破棄を言い渡された身の上。

そうなれば世間の風たりも酷いに違いないはず。

‥‥はずだった。

「Aちゃん！」

その日朝早くからお母様が私の部屋に押しかけた。

「お母様！」

あれ？後ろの護衛の人…赤井さんじゃね？


「貴方の学園での出来事を聞いてアメリカからセスナ機を飛ばして来たのよ！」

早乙女家はんぱねぇぇぇ！！

セスナ機まで持ってんの？
恐ろしくて開いた口が塞がらねぇよ！！

「A、大丈夫だったか」

不安そうに私を見つめる赤井さん。

茫然としている私に近づく。

「顔色が悪いな…大丈夫か？」

そっと私の頬に触れる赤井さん。


ぐっ…押しが！

推しキャラが私の頬をナデナデしている！！


しっ…死ぬ。

萌死にしそうで辛い。


「どうしたのAちゃん、貴方の大好きな秀一君よ」

「オカーサマ」

ああ、そうだ。
萌え死にそうになっていたが、赤井さんとは面識があった。

アメリカに留学していた赤井さんとは家族ぐるみのお付き合いがあって赤井さんにもお世話になった。

当時私は赤井さんに勉強を見てもらっていたのだ。
幼少期は体が弱かったこともあり学校に通えず一人だった私に優しくしてくれた赤井さんを慕っていた。
補足すると初恋の人だった。

良い趣味してるよ私…

つーか、何であんな男と婚約して少しでも情を抱いたんだ。
こんなハイスペックな男性がいたら月とミジンコの差があると言うのに謎だわ。

「申し訳ありません、ご挨拶もせず」

「気にすることはない」

スマートに手を出しエスコートをしてくれる赤井さん。

くっ…こうしてジョディさんも明美さんも落ちたのか。


恐るべし大人の魅力。

既に失神しそうです。


だってオタクだもん。



推しキャラは最高レベルのイケメンだった。

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