プレイル〜9人の能力者達〜 2

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有岡side

あんなに裕翔が怒るなんてびっくりした。

あまりにも迫力があって、俺は体が動かなかった。圭人が止めてくれなかったらどうなってたか。

薮「悪い。俺ら前の施設の脱走の時に直前で一人の男に裏切られてさ」

裕翔と光さんを落ち着かせて俺と知念と薮さん、高木さんで今また話直してる。

薮「そいつとは施設に入った頃からずっと一緒にいたんだけど、いつの間にか施設長に心酔しててさ。俺らはそいつの変化に気づけなくて、そのまま作戦を実行してしまった」

知「じゃあ光さんが言ってたのは」

高「そう。そいつの事。
有岡くん達の友達と被っちゃったのかもしんない。」

知「涼介はそんなんじゃない！涼介はあいつに、地鳴天明に無理矢理ここに連れて来られたんだよ。僕達を守る為に。だから...」

泣き出しそうな知念を高木さんはうんうんと言いながら丁寧に話を聞いてくれてた。

この人は見た目に寄らず優しい人なのかもしれないな。

高「1つ聞いていい？」

有知「はい」

高「その友達…涼介君？はいつからここにいないの？」

有「えっ…と3日前からです。本人からは1週間で帰ってくるって聞いてます」

薮「成程、じゃあもうちょいか。
有岡くん知念くん、脱走出来るチャンスは1度きり。だから俺達は君らの友達が帰ってくるのを待つよ。」

有「え？なんで」

高「言ったでしょ？1度きりだって。俺達が先に実行してしまったら、有岡くん達が実行出来ないじゃん。人数は多くなるけど確実に可能性がある方にしなきゃ」

ね？って高木さんと薮さんは顔を見合わせてた。

薮「あとさ！その山田くん？の事。教えて貰っても良い？」

知「え？」

薮「一緒に逃げるんだから少しでも知っておいた方が良いじゃん？」

ふにゃっと笑う薮さんの笑顔に俺達も力が抜けた。

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あれから皆で集まって作戦会議をした。

裕翔と光さんはお互いに謝って今回の件は解決した。

薮さん達に山田の事を話したり、俺らが集めた情報を教えたり、脱走ルートを考えたりして1週間なんてあっという間に過ぎていった。



そう1週間。1週間経ったんだ。
という事は山田が帰ってくる。



どう思うだろうな山田。
人数増えてすげぇビックリするかな？
人見知りを大いに発揮すっかな？
とりあえず、無事かどうか今ははっきり知りたいな。







俺の思いとは裏腹に現実は襲ってくるもんで

2週間経っても山田は帰ってこなかった。

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