覚えたくない過去、嫌な現実 (ページ20)

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塵ページ20

……また、まただ

帰りが遅かった

でも、さっきの感じじゃない

どちらかというと、とてつもない程に嫌な予感しかしなかった

でも、俺は

兄さんとの約束がある

家で待ってる約束、誰にだって、お帰りは必要だ

疲れた体を、少しでも休ませてくれる言葉

その役割を、今俺は持っているんだ

だから

待っていなきゃ

でもやっぱり

そうは思っていてても

体は正直に、動いていた

兄さんがどこにいるか分からない

家を飛び出して、走って探す

所々塵がある、ウォーターフェルの橋の所には

少し多くの塵が落ちているのに気がついた

……アンダイン…

自分で言っておいて、ゾッとした

…変なことを察してしまった

そんなことを思い、走って行く

ラボに着いた、今じゃアルフィーがここの博士だったはず

パッピも、アルフィーが作ったロボットとかに夢中だったっけ、あのロボットも…

いや、考えるのはやめておこう

ラボの中に入ると、意外と静かだった

もしかして、地下の研究室にいるのかな…

そう思って、エレベーターの所まで行くと、誰かが丁度使っていたらしく、俺の前にあった扉が開く

…アルフィーだ

ｱﾙ「！？く、黒雪！？」

ｸﾛﾕｷ「アルフィー！無事だったんだ…！」

嬉しくて、抱きついた、でも感動の再会はあとにして、アルフィーに聞きたいことを聞いた

ｸﾛﾕｷ「ねぇ、アルフィー、兄さんがどこにいるか知らない？」

とても焦っていて、言葉が早口になっていたが、アルフィーはその言葉をしっかりと聴いてくれた

ｱﾙ「サンズは…、今は最後の回廊にいるわ」

ｸﾛﾕｷ「そ、そこで、何を…？」

聞きたくはなかった、でも

そこにいる以上、聞くしか何もやることがなかった

ｱﾙ「……、人間を、止めに行ったわ」

…だから

だから、帰りが遅かったんだ

ｸﾛﾕｷ「…ありがとう、アルフィー、俺、ちょっと用事を思い出したから行くね」

ｱﾙ「っ！ま、まさか」

ｸﾛﾕｷ「止めないで！！」

アルフィーは俺のことを心配して、止めようと手を伸ばしてくれた、でも

瞬間移動で、その手を避けるように、最後の回廊に来た

ここに来た理由は１つ、兄さんに会う、ただそれだけだ

でも、兄さんは

お腹から、血を出していた

ｸﾛﾕｷ「…！！！、兄さん…！」

あまり目立たないように、兄さんを抱きしめる

ｸﾛﾕｷ「兄さん、置いて行かないで、兄さん！」

願うように抱きしめた