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謝罪の品 ページ16

「昨夜は本当に申し訳なかった。」



深々と頭を下げるディルック。

Aはいえそんな事は、と手を横に振った。



『それ程まで頭をさげないでください!』



エンジェルズシェアには今誰もいないが、オーナーが雇い人に頭をさげる様子は誰が見ても心が痛い。



「これはせめてもの謝罪の品だ。受け取ってくれないか。」



箱に入ったものを渡される。

そこにはいかにも高価そうな宝石が埋め込まれたネックレスがあった。



『わぉ…』



思わず声が出てしまった。



『あの、これはディルックさんが心から想っている方にあげた方がよろしいかと…』

「……」



ディルックはその言葉に少し黙るが、そのネックレスをすっと取るとAに近づき、首元に手を回す。

その時の距離が近く、Aはディルックをじっと見てしまっていた。

真っ赤な、そして癖のある髪に伏せられた目。

色白の肌は照明に照らされ見る者を惹き寄せる。



「何か気になることでもあるのかな?」

『い、いえっ!』



目が合ったと同時に優しそうに微笑むディルックには流石にAも目を逸らした。

するとネックレスをつけ終わったのかディルックは離れる。



「うん。とても似合っているよ。」

『わざわざありがとうございます。…あの、私からも。』

「…?」



カバンから取り出したものはとても綺麗なイグサであった。

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作者名:きの | 作成日時:2022年6月8日 22時

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