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助けを呼ぶ声 ページ3

『…暑い』


降り注ぐ太陽の光がギラギラと肌を焼く。

そんな暑さの中を1人歩いている少女がいた。

見るからに上等そうな真っ白の布を頭から被った少女は滴る汗を拭う。




────ここは風の都、モンド




旅人であるその少女は何か目的があるわけでもなく、転々とテイワットを旅していた。

時折吹く爽やかな風が風神バルバトスを思い起こさせる。

少女は知り合いの雰囲気を肌で感じながらモンドの景色を堪能していた。

そして、星落としの湖にある七天神像に辿り着く。

湖の水は底が見えるほど透き通って綺麗だった。

足を水につけ、涼しくなっていた束の間。




「だ、誰か助けてくれ……!」




危機迫るように助けを求める叫び声がした。

少女はその声にはっとし、そばにあった片手剣を持って声の主の元へ走る。

声がしたそばまで来ると木の影に隠れ、状況を様子見た。

すると30代ぐらいの男性がヒルチャールに襲われている。

その男性は持っていた鎌を振りながら後退り、木のそばまで追われているところであった。

少女は助けるかどうか考えた。

助けなければこの男性は死ぬ。

だが、ヒルチャールの件に介入すれば後がどうなるか分からない。

見て見ぬフリをする事は……少女には出来なかった。




『……大丈夫ですか?』




男性は目の前で突如倒れるヒルチャールに驚きを隠せないまま頭上を見上げた。

そこには木の枝に座る少女が心配そうな表情を浮かべている。




「もしかして君が助けてくれたのか……?」


『お怪我はありませんか』




男性からの質問には答えない。

人には言えない秘密があるからだ。

少女は男性に怪我がないか身体全体を見る。

男性は右腕に怪我をしていた。




『傷の手当てをします。動かないでください』




木からスッと音もなく降りると消毒液を取り出し包帯を巻く。

その時、男性は処置の手際さに疑問を持った。




「君はまだ若そうだが、旅人なのか?」


『はい。テイワットを転々としている旅人です』


「一体、いくつなんだ……?」


『……いくつに見えます?』




少女は微笑んで質問に質問を重ねた。

丁度その時手当てが終わる。

少女は応急処置をすると何事も無かったかのように立ち上がった。

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作者名:きの | 作成日時:2022年6月8日 22時

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