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「ってことがあってね? もう私はどうしていいのやら……」
はあ、と項垂れる私の肩に紗枝の異常に冷たい手が置かれた。慰めてくれるのか? という淡い期とと共にすがるような目で紗枝を見た。
「いや、何で鼻血出てるし」
「いやぁ……その状況を想像したらね、勝手に」
は? 意味分からん。
「何なの頭腐ってんの?」とキレ気味に問うと、「腐女子だけに?」とお得意のV字スマイルを私に向けた。
誰が上手いこと言えと?
「まあまあ亜胡ちゃんや、そんなに荒れんな。可愛い顔が台無しだぜよ?」
「そのイケボも語尾で台無しだけど」
「ありゃ一本取られたかー」
ヘラヘラ笑いながら自分の頭をペシッと叩く紗枝。もうコイツは使えないなと思い、側に居た朱里に紗枝と同じ質問をする。すると朱里は困ったように頬を掻き、夢主もビックリするぐらいの笑顔__蕾が綻んだような笑顔とは、きっとこの事を言うんだと思う__で、
「まあ私だったら、例えば紗枝ちゃんが同性の恋人とイチャイチャしてるのを見たら、もう失神しゃうなー。やっぱり厭だよね」
「あーかーりー! もう好き、愛してる、嫁に来ない?」
女子の世界では同調が全てである。
「うーん、私には紗枝ちゃんが居るから……愛人枠なら」
わーサラッと断られたー。しかもそんな可愛い顔で愛人とか言っちゃうのね朱里。
「振られてやんのー」
「壮大に草生やすの止めろや腐女子!」
朱里の美乳に顔を埋めながら、私は今朝の一部始終を回想した。あれは間違いなくあの二人であり、たった今犬神君の席でイチャついているご本人に間違いはない。
いいのか二人共、こんな公衆の面前でイチャついて!
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秋葉まこ - ニャンコ先生@生チョコ族さん» 詳しく教えていただきありがとうございます!! (2017年10月13日 17時) (レス) id: b83ad12f14 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコ先生@生チョコ族(プロフ) - 秋葉まこさん» おお! 有り難う御座います! 軽ーく腐女子度検定も混ぜてみました。ヒントは二話の最後ら辺と紗枝の台詞です。暇な時是非(( (2017年10月13日 7時) (レス) id: 94827244c2 (このIDを非表示/違反報告)
秋葉まこ - うおおおおおッ!読みに来ました!!うわあああああ!これ絶対面白い小説が誕生しました!!早くも続きが気になりますが更新は自分のペースでやっていってください!!ワクワク! (2017年10月12日 22時) (レス) id: 0faa99912c (このIDを非表示/違反報告)
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