百五十粒 ページ7
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「後は、リスナーとしては良くないことをしてしまいました」
本当にごめんなさい。
深々と頭を下げる。
今までの流れからは想像していなかったであろうこの言葉に、彼らの驚きが伝わる。
「でも、私がした事は全部が全部悪いとは思ってません」
笹川Aとして、あなた達と出会ってお話していた時は純粋に人としてお付き合いしていたつもりです。
勿論、メンバーかもしれないっていう後ろめたさはあったけど。
でも、ちゃんと人としてお付き合いしていた。
助けたいと思ったり、かっこいいと思ったりしたのは私自身です。
「そして、謙遜はもうしません。
私、あなた達の役に少しは立てると思います」
これからも。このままで居たい。
またこんな所で、本当にいいんですか?だなんて言わない。
それこそヒロインぶってよくない。
失礼だと思う。
皆さんは私が良いって言ってくれて。
頼ってくださった。
「もりさん、さとみさん、ころんくん、莉犬くん、ジェルくん、るぅとくん…
私を、雇ってください」
深々と頭を下げ、彼らの反応を待つ。
「…うん、お願いね」
「俺もそうしてほしい」
「信じてるから」
「Aが決めたんならそれがいいわ」
「まぁ、俺らの意見は1つだから」
「…僕も、お願いします」
顔を上げると6人が傍によって来てくれた。
「ありがとう」
その言葉に視界が少し歪んだ。
「えぇ?なんで泣いてんねん」
そしてお兄ちゃんに頬につたうそれを拭われた。
「ごめん…正直、怖くて。
知ってたよ、皆さんが優しいのは。
でも、今まで曖昧なことしてて、ちゃんと許してもらえるか、分かってもらえるかわかんなくて」
緊張の糸が解けたからだろうか。
またほろほろと涙が零れる。
「俺たちだって素直に嬉しかったよ、ちゃんとお話してくれてありがとう」
もりさんがそう言ってくれた。
「いやー、でも話聞いてみて思ったけどよくこの6人に偶然会ったよなぁ。
これはもう運命と言っても過言じゃないわ」
そしてさとみさんのこの一言。
運命。
その言葉がくすぐったくて。
大きなホールに私たちの笑い声が響いた。
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莉犬猫 - ななもり。さんだけidでてます (2022年6月18日 20時) (レス) @page43 id: a2185c14b6 (このIDを非表示/違反報告)
めーたん - 王子様を選ぶ所で選べないキャラがいたのでそのストーリーをみたいです! (2022年1月22日 9時) (レス) @page43 id: 0f93307700 (このIDを非表示/違反報告)
ツッツ〜 - なーくんのしかlD出てきません… (2020年8月18日 2時) (レス) id: 98be095f42 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - あと、何か最後の誰を選ぶ?みたいな所で紫の王子以外のID出ていませんでしっ… (2020年7月17日 6時) (レス) id: a7dddc0f96 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 完結おめでとうございます! (2020年7月17日 6時) (レス) id: a7dddc0f96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうく | 作成日時:2020年4月19日 13時