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互いの胸にナイフを突き立て合って倒れていく両親。
Aの胸に再び刻み込まれる絶望と悲しみ。
両親がその身がを完全に地へと着いた時、Aにはまだこの現実を受け入れることは出来なかった。
『お母さん...お父さん...』
Aは、今にも千切れてしまいそうな体を両手の力で引こずり、両親の側へと寄ろうとした。
ズルズルと少しずつ体が前進する音と共に、ミチッブチッと肉が裂ける嫌な音もする。
「A辞めろ!そんな体で今動くな!」
Aはローの忠告が耳に入っていないように尚も両親の元へと近寄ろうとする。
「A!!」
Aはヒューヒューと肺に穴が開いたような呼吸音をさせながら、苦しそうにしている。
『私は、死なない。そういう風に...作られたん、だから...』
そこまで言って、Aは突然ピクリとも動かなくなった。
ローは焦って脈をとったが、どうやら気を失っただけの様だ。
血を、失いすぎたのだ。
「クソッ!アイツらが馬鹿な事をするから予定が狂った!!キラ!時間を稼いでおけ!」
「はい」
切り札が無くなった今、科学者達は勝てる確率が低いと判断したのだろう。
キラを囮に逃亡を図った。
「チッ...」
ローは鬼哭を構えたが、キラは決して弱く無い。
今ここで戦っていれば、科学者達に逃げられるのが目に見えていた。
「キャプテン/船長!!」
タイミングが良かった。
電伝虫で呼んでおいたペンギン達が到着した。
三人は、この光景を見てギョッとした。
「これはどういうことっすか!?」
「説明は後だ!お前達はキラの相手をしろ!俺はあの科学者を追う!!」
珍しく切羽詰まった様子のローに、三人は悟った。
「「「アイアイ!」」」
三人の返事を背に、ローはもう科学者達に向かって走り出していた。
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おナス(プロフ) - 美香さん» 楽しんでもらえたようで良かったです!シリアスはやっぱ苦手です...(後ピンクっぽいのとか)(汗)コメントありがとうございました! (2017年10月16日 23時) (レス) id: 14cb722bd4 (このIDを非表示/違反報告)
美香 - 読んでいて涙が出てきました。有難うございました。ロ―。格好良すぎです (2017年10月15日 23時) (レス) id: e055274691 (このIDを非表示/違反報告)
おナス(プロフ) - ゆーじさん» 無事復帰できたのはみんなが私に温かさをくれたからです!!ゆーじさんもその一人です!本当にありがとうございました!予測変換...恐るべし...!! (2017年5月31日 22時) (レス) id: 14cb722bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - 最後の最後でカッコ悪い予測変換の罠…完結おめでとうございますだよー!!はずかしー!! (2017年5月27日 10時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - おナスさん» 還元おめでとうございます!!うわああー!!ラストが語りで綺麗だったよ!!輝も勿論見るよ!!あれはテンションあがるから好きだよ!!知りたがり、本当にお疲れ様でしただよー!!途中大変だったよね…更新停止しちゃうかと心配だったけど書いてくれてありがとう!! (2017年5月27日 10時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おナス | 作成日時:2017年3月18日 0時