26 color ページ27
「お姉ちゃん。あのお兄ちゃん達は何をお話してるの?」
『何だろうね』
ロー達がキラについて話しているのをよそに、Aとキラは二人で話をしていた。
『これからお父さんとお母さんが帰ってくるまでの間、この島にいるから会いに行くね』
「うん!お姉ちゃんありがとう!」
子供特有の無邪気な笑顔を見せた。
「お姉ちゃんはいつ会いに来てくれるの?」
『特に決まっては無いけど...今と同じ頃じゃないかと思うよ』
今は昼過ぎ位だ。
「ねぇ、お姉ちゃん...」
『どうしたの?』
「ワガママなんだけどね...夜が一人で怖いの。だから、夜も会いに来てほしい」
申し訳なさそうに眉をハの字に下げる。
『私はいいけど、ロー達はなんて言うかな』
「あのね。お姉ちゃんだけに来てほしいの。お兄ちゃん達は悪い人じゃないって分かったるけど、今は男の人が少し怖い...」
確かにと思うA。
この子はつい先程、男に襲われかけていたのだ。怖くなっても仕方が無い。
それに、この子は女の子だから女性の方が話やすいというのもあるのかもしれない。
でも、一人で行動してはいけないと言われているAは迷った。
「お姉ちゃんごめんないさい。無理を言って...」
そう言うキラの小さな手が、茶色の瞳が震えていた。
一人の心細さを知っているAは、どうしてもこの小さな生き物に寂しい思いをさせたくなかった。
『ううん。夜にも会いに行ってあげる。...ロー達には秘密だよ?』
キラに小さな声で耳打ちをした。
「お姉ちゃん、ありがとう」
そうして少し晴れた顔を見れば、Aは嬉しい気持ちが自分の心の中にジワッと染み込むように広がっていくのを感じた。
『じゃぁ、キラちゃんのお家に夜に行くね』
「私のお家分かるの?」
『うん』
私は生物兵器で、身に付けたくもなかった色んな能力が使えるから__。
「お姉ちゃん。お礼にこれあげる」
キラが服のポケットから取り出したのは、蒼いマーブル模様の綺麗な石が埋め込まれた髪留め。
「綺麗でしょ!」
『...綺麗だね』
色が分かれば、もっと綺麗に見えただろうに。
Aは、キラに気を使わせないように、色が分からないことは黙っておいた。
『これ、本当に貰っていいの?』
「お姉ちゃんにあげたいから」
『そっか。ありがとう』
Aが笑えば、目の前の女の子もまた、嬉しそうに笑うのだ。
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おナス(プロフ) - 美香さん» 楽しんでもらえたようで良かったです!シリアスはやっぱ苦手です...(後ピンクっぽいのとか)(汗)コメントありがとうございました! (2017年10月16日 23時) (レス) id: 14cb722bd4 (このIDを非表示/違反報告)
美香 - 読んでいて涙が出てきました。有難うございました。ロ―。格好良すぎです (2017年10月15日 23時) (レス) id: e055274691 (このIDを非表示/違反報告)
おナス(プロフ) - ゆーじさん» 無事復帰できたのはみんなが私に温かさをくれたからです!!ゆーじさんもその一人です!本当にありがとうございました!予測変換...恐るべし...!! (2017年5月31日 22時) (レス) id: 14cb722bd4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - 最後の最後でカッコ悪い予測変換の罠…完結おめでとうございますだよー!!はずかしー!! (2017年5月27日 10時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
ゆーじ - おナスさん» 還元おめでとうございます!!うわああー!!ラストが語りで綺麗だったよ!!輝も勿論見るよ!!あれはテンションあがるから好きだよ!!知りたがり、本当にお疲れ様でしただよー!!途中大変だったよね…更新停止しちゃうかと心配だったけど書いてくれてありがとう!! (2017年5月27日 10時) (レス) id: f6a5d4b00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おナス | 作成日時:2017年3月18日 0時