知りたがり[トラファルガー・ロー]

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ローひきいるハートの海賊団は、つい先程、この島に着いた。

今のところ分かっているだけでも、この島には良い噂など無い。
嘘か本当かはどうにしろ、信じれないことも無い噂だってある。


そして、ローはドフラミンゴが少なからずこの島で起きている「何か」に関係があると睨んでいる。


ベ「キャプテン、本当なのかなぁ？」

ロ「何がだ」

シャ「この島で有名なあの噂っすよ！」

ロ「...さァな」

この島では、政府の科学者達が生物兵器の実験をしているという噂がまことしやかに語られている。


ロ「確かめに行くのも悪くねェかもしれねェな」

ベ「キャプテン悪い顔してるー！」

そう、ドフラミンゴが絡むとなると確かめない訳にはいかないのだ。

ぺ「程々にしといてくださいよー」

一応釘を指すペンギン。



時が進み出すまで、もう少し...





Aは特にやることも無く、ただあらかじめ置かれてあったソファに何をするでもなく座っているだけ。

目の前に広がる空間は、机や椅子はあるものの、あまりに質素で生活感が無い。

そもそもこの部屋に居ること自体が少ないので当たり前なのだが、それにしても寂しい部屋。

常に何処かから見られているという状況。
非常に居心地が悪い。


何となくソファに寝転んでみる。

自分で思っていたよりも案外疲れていたらしく、すぐに目蓋は落ちてきた。




その日、夢を見た。

色が分からなくなっていたはずの目に、鮮やかな有彩色が映った。

いつも、モノクロだった世界に色があった。
それに感動したが、それよりもAの心を興味を引くものがあった。


遠くに、誰かが見える。

長身で細身の男性。

長い刀を持っている。

きっと、知らない人。たとえ知っていたとしても、Aには分からないかもしれない。


その人の近くに行ってみたい。

そう思い、足を踏み出そうとして気付いた。

自分の体が鎖で縛られていることに。

その鎖は自分の力では取れないのだと悟った。苦しい。


遠くに見える誰かが、こちらを振り向く＿＿＿＿＿



ハッと目を覚ました。

その時には夢のことは綺麗に忘れてしまっていた。
しかし、いつも見慣れたハズの色が分からない視覚に違和感を覚えた。



「No.366。実験を開始する。直ちに実験室へ向かえ」

スッキリしないコレは何なのか、分からないまま足を実験室へと向かわせる。


今日も最後まで立っているのは彼女だけだろう。

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