サマーウォーズ〜OZのキングとクイーン〜

十五話 ページ17

お兄さんが出て行くと僕とAの二人っきりになった。

あ「・・・・・」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

佳「・・・・・」

沈黙が続く

しかし

先に沈黙を破ったのは

あ「・・・・佳主馬。」

佳「なに」

Aだった。

あ「侘助さんて人。きっと寂しい人だよ。」

何を言い出すの？

いきなり

侘助おじさんの話なんて・・・・

佳「ナンデ･･･？まだ一目しか見てないじゃん」

あ「私には分かる。分かるもん」

その瞳が何かを辛そうに訴えていた

あ「私だから、分かるんだもん。だから佳主馬。侘助さんと仲良くしてあげて？・・・・・寂しいんだよ」

目を伏せた

佳「なんで・・・」

あ「佳主馬にだけなら、教えてもいいかな。私の、初恋の人だもん」

そういって淡く微笑んだ

佳「・・・・」

そっと

A額に僕は軽くキスを落とす

あ「えへへ」

照れながら微笑む彼女は

すごく可愛くて

佳「教えて。君の過去」

あ「・・・・・きっと後で、みんなにも話すことになるけれど」

コクっと頷いた

あ「私は・・・・・」

夫の妾の子のおじさん。

前に一度そう教えた。

あ「私は、酒井家の人間じゃないの」

悲しそうに

嗤った

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