08-■Appointment ページ8
.
そしてテスト明け。
あれだけ苦手だった動物言語学は、先輩の教えあってか前回よりも抜群に点数が良かった。
「本格的にお礼を急がないと」
「Aくん、順位見に行きましょーよ」
「あー今行く！」
ラギーと一緒に貼り出された上位50位の順位を見に行く。
するとそこには何時もより多くの人だかりが出来ていて、ラギーは何とか見えたみたいだけど、彼より小柄な私は上から3段ぐらいしか見えない。
必死に背伸びをしてる私をラギーは面白そうに笑っている。
「必死に背伸びしちゃって、こけても知らないっスよー？」
「一言余計だな！ …わっ！」
前の人が後退したせいで、肩に衝撃を受けて後ろにつんのめる。
足がもつれて危うく尻餅をつきそうになった所を、後ろにいた生徒の人が私を抱きとめてくれた。
「…あ、ありがとうございま……」
「順位が見てえのか？ 見せてやるよ」
「わーっ！？ 降ろしてくださいぎゃーっ！」
「キャンキャン吠えるな、うるせえな」
振り向いた先には緩く着崩れたシャツと胸元から覗く褐色の鍛えられた胸が目に入った。
そしてその直後、腰に手を回され乱暴に引き上げられる感覚。
片手で私を持ち上げる横暴なその人は、どこぞの第二王子だった。
「本当そういうことするのやめて下さい！」
「あ？ 順位が見たかったんだろうが」
「どうせ入ってないですし結構です！」
そんな事で、漸く降ろしてもらえた。
結局持ち上げられた恥ずかしさで順位なんて見るのを忘れてしまった。
「というか…レオナさんも順位なんて興味あるんスね」
「んなわけねぇだろ。丁度いい玩具を見つけたから寄っただけだ」
「…それって誰のことですか？」
「聞かなくても分かんだろ」
口端を上げて犬歯をチラつかせる先輩。
本当この人はとことん悪役顔が似合うな、なんて思いながら、何か忘れている事がある気がすると思考を巡らせていた。
「…あ！ キングスカラー先輩、今日夜には寮に戻られますか？」
「ああ。…何故だ」
「渡したい物があるので待っててくださいね！」
「……は？」
ええい、こんなのは言ったもの勝ちだ！
逃げるは恥だが役に立つとどこかの有名な俳優さんも言ってた！
「それじゃ！」と半ば逃げ出す様に彼らの元を去る。
だからキングスカラー先輩がどんな顔してるかなんて、知らなかった。
(……レオナさーん？ 駄目だ、固まってら)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 761人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小豆 -azuki- - とっても面白かったです！レオナさん大好きなので、二次創作でも本人らしい言動で書いてくださっていて読みやすかったです！私はゲームはこのお話のところまで行けていないので、ストーリーを早く進めたくなりました！面白い楽しいお話をありがとうございます！ (2021年1月11日 2時) (
レス) id: a6a087e4cf (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - あやかさん» あやか様、最後までご愛読ありがとうございました！この作品は残念ながらここまでです！後のお話は読者様のお好きな様に想像を膨らませて頂けると嬉しいです…！ウワァなんて嬉しいお言葉…身に染みます。ありがとうございます…！ (2020年11月29日 9時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - すごく面白かったです！！キュンキュンしましたー！続編なんてない…かなぁ…なんて。もう本当に、終わってしまうのが勿体ないくらいです！！もっと見たかったー！ (2020年11月28日 0時) (レス) id: 674992aea4 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ま。さん» コメントありがとうございます！その一言、心に染み入ります！感想聞かせて下さり感謝いたします！ありがとうございます(^^) (2020年10月26日 11時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ま。 - 面白かったです！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: cd9d134222 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年6月30日 22時
