09-■Did it ページ9
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そろりと寮を抜け出した午後6時。
お夕飯までには戻ってきます、なんてどこぞのプリンセス気取りで手土産の入った鞄を強く握った。
「…よし、誰にもバレてない」
ディアソムニアの夕食は7時だからそれまでに帰ってこれば大丈夫。
一応シルバーにだけは事情を説明して、万が一バレた時に上手く取り繕ってもらうことになっている。
忍び足で寮を出て、私は鏡の間へと向かった。
サバナクローと書かれた下の鏡にそっと手を伸ばす。
「……食べられません様にっ」
そして息を吸って、ぐわん、と揺れた鏡に飛び込んだ。
＿乾燥した空気に覆われた、ごつごつした景色。
そこらには沢山何らかの骨が落ちていて、＿それが何の骨なのかは知らないふりをした。
「全然違う……野生的だ…」
自寮とは正反対の見た目。自然の松明の明るさに、人工的でない建造物やオブジェ。あと骨。骨。
誰か出迎えに来てくれないだろうかとそこらをウロチョロしていると、暗い洞窟の様な中から影がゆらゆらと近づいてきた。
「Aくん、本当に来たんスね」
「あ…ラギー！ 良かった…このまま誰も来てくれないかと思って」
「縄張りに入ってきたら匂いでわかるんで。ほら、レオナさんに用があるんでしょ？ ついてきて下さい」
「ありがとー」
さりげなく私の持ってた荷物を持ってくれたラギーに関心する。
本当何気ない所でラギーは優しいんだよね。
今も私の歩幅に合わせて歩いてくれているし。
「ラギーってさ」
「んー？」
「優しいよね」
「……はあ？」
「いやだって今は私の荷物持ってくれたり、普段も何かと世話焼いてくれてるじゃん。
あとレオナさんのお世話も率先してやってるし」
「……あのねえ、Aくん」
ぴたっとラギーが薄暗い洞窟の一つの部屋の前で止まる。
そして振り向いたその顔は若干呆れている様に見えて。
…あれ、私なんか呆れさせる様な事言ったっけ？
「レオナさんは俺の寮長なんだからちゃんとして欲しいって思うのは当然でしょ」
「当然？ …そう、なのかな？」
「そんで、アンタは……」
アンタは？
ラギーの次の言葉を生唾を呑んで待つ。
そして再びその口が開かれたと同時に、背後のドアが突然開いた。
「…遅えぞ、草食動物の分際で」
どうやらキングスカラー先輩の部屋の前だったみたいだ。
彼の登場により、ラギーは続きを話すことをやめてしまった。
…気になるのに！
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小豆 -azuki- - とっても面白かったです！レオナさん大好きなので、二次創作でも本人らしい言動で書いてくださっていて読みやすかったです！私はゲームはこのお話のところまで行けていないので、ストーリーを早く進めたくなりました！面白い楽しいお話をありがとうございます！ (2021年1月11日 2時) (
レス) id: a6a087e4cf (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - あやかさん» あやか様、最後までご愛読ありがとうございました！この作品は残念ながらここまでです！後のお話は読者様のお好きな様に想像を膨らませて頂けると嬉しいです…！ウワァなんて嬉しいお言葉…身に染みます。ありがとうございます…！ (2020年11月29日 9時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - すごく面白かったです！！キュンキュンしましたー！続編なんてない…かなぁ…なんて。もう本当に、終わってしまうのが勿体ないくらいです！！もっと見たかったー！ (2020年11月28日 0時) (レス) id: 674992aea4 (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - ま。さん» コメントありがとうございます！その一言、心に染み入ります！感想聞かせて下さり感謝いたします！ありがとうございます(^^) (2020年10月26日 11時) (レス) id: 77433e9bba (このIDを非表示/違反報告)
ま。 - 面白かったです！ (2020年10月25日 22時) (レス) id: cd9d134222 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年6月30日 22時
