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第五十六 ページ8

嬴政「信の初陣が決まったんだ。」



そう少し微笑みながら言った。



まさかあれほど音沙汰なしだった信の話が出てくるとは思わず慌てて「本当ですか?!」と聞き返す。



嬴政「その様子だと、やはり伝えられてなかったんだな。先日貂からの文が来てな。」

夕「……やっと、ですね。嬉しいです。この時をずっと待っていましたから。」


戦へ出る。そう口にして何日、何年経ったことか。
出来ることなら、その夢は二人で叶えたかったはずだ。


夕「信の事だからきっと大将首取る!だなんていいそうだな。」



想像するだけでも面白くて、ついフフっと笑う。



そんな私を見ていた大王様は言った。



嬴政「先程の緊張した姿が嘘みたいだな。」

夕「え?」

嬴政「部屋に入ってきた時だ。肩が上がってビクビクしてたぞ。何をそんなに緊張していたのだ?」


先程まですっかり忘れていた"夜伽"の事をまた思い出して、頬がほんのり赤くなる。

顔が赤いぞ。と覗き込むようにして此方を見る大王様に余計熱が集中した。


夕「え、えっと…それは、その…──の事かと、」

嬴政「…?」

夕「で、ですから…その、夜伽の事、と……」


恥ずかしさのあまり声がだんだんと小さくなる。


大王様を見ると、私が勘違いしていた事を分かっていたようにクスッと笑っていた。


夕「ま、まさか、言わせました?」

嬴政「すまない。反応が面白くて。」


そう言ってまた思い出したのかクスクスと笑う。



夕「ひ、酷いですよっ!どれだけ緊張したと思って……キャっ…!…」


何が起こったのか、突然押し倒されたことによって言葉が止まる。

鼻がぶつかりそうなくらい近くに大王様のお顔があって、手首を押さえられ動きも取れない。



嬴政「伽、したいのか?」

夕「えっ?……」

嬴政「したいのだろう?」

夕「なっ///そ、そんなわけっ……」

嬴政「なんてな。」


私の反応を面白がっていた大王様はクスクスと笑いながら私に覆い被さっていた体を起こした。


(また、大王様にからかわれた。)



だが、私の記憶にあるのはここまで。

なぜなら、私はいつの間にか眠っていたようで気づくと朝になっていたから。



眠たい瞼を開けようとした時だ。私の頭を優しく撫でながら「好きだ、夕。俺は誰よりも愛しているのに…」と声が聞こえた。



聞き間違いだろうか。

いや、確かにそう聞こえたのだ。

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作品ジャンル:恋愛
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モモ(プロフ) - メッセージが続いてしまいごめんなさい。この作品のお陰でキングダムの漫画を読んでみよう!と思いました。これからも応援しています。次の更新がいつになるかわかりませんが、とても楽しみにしています。 (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - すみません...。慣れていなくて先程、書き終わらないままメッセージを送信してしまいました。私は最近キングダムの映画を見てこの小説に出会いました。とっても大好きです!!作者様が今はどうかわかりませんが、私は今高校生で生活の息抜き、楽しみとして読んでいます (8月15日 22時) (レス) id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - はじめまして! (8月15日 22時) (レス) @page10 id: a95e8dfc3d (このIDを非表示/違反報告)
ままま - めちゃくちゃ面白いです。最近映画の最新作を見て、キングダム最熱しておりました。その折にこの小説に出会い一気に読んでしまいました。続きが気になりどうにかなりそうです。暑い日が続く昨今ですが、どうかお体には気をつけてご自愛のほどお祈りいたしております。 (7月31日 15時) (レス) @page10 id: c2c76806e1 (このIDを非表示/違反報告)
星の空(プロフ) - 心さん» ありがとうございます。これからも頑張ります(^^) (2022年9月23日 11時) (レス) id: 7bf82b942c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星の空 | 作成日時:2020年3月21日 22時

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