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第十八 ページ18

夕「ない……ない……ないっ!!」



翌日の朝、いつもどうり身なりの支度をしようとした所あるものが無くなっていることに気づいた。



それは母の形見である簪だ。



無くなった時間とすれば昨日だろう。



そして自室にも無ければあと当てがあればそれはきっと大王様の部屋。



そう分かった瞬間私は肩を落とした。
よりにもよってまた大王様の部屋に行かなければならないと思うと気が重くなる。



しかし、行かないという選択肢は私の中でない。幼い頃に母から貰ったなによりも大事な物だから。



大王様の部屋に続く廊下の道中、一応簪が落ちていないか確認したがホコリ一つ落ちておらず。



あっという間に部屋の前まで来てしまった。だがどうにもここから一歩が踏み出せず扉のまえで右往左往するばかり。



ようやく決心がついたのはそれから数分の事。扉にノックしようと拳を握ったと同時に内側から開いた扉と共に大王様が顔を出して思わず「ぁ…」と声が漏れた。



大王様もこちらを見るなりすこし目を見開き驚いていたが直ぐに下の者を見るような目に変わり「何か用か?」と冷たい声で尋ねてくる。



夕「えと……簪っ、落ちてませんでしたか?」


嬴政「簪?あの花が付いた古い物の事か?」


夕「そ、それです!やっぱり大王様のお部屋にあったんですね。」



大王様は簪が見つかってよかったと安易のため息をついた私をみて、腕を組み不思議そうに尋ねてくる。



嬴政「随分古いものだがそんなに大事なのか?これより良いものなどいくらでもあるだろう。」


夕「いえ、いいのです。これは唯一私が母から譲り受けた形見ですから。」


嬴政「そうか。」



話が区切れ沈黙が続いた時、私はもう一つ大事な事を思い出しパッと顔を上げた。

第十九→←第十七 【嬴政】



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設定タグ:キングダム , 恋愛 , kingdom   
作品ジャンル:恋愛
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星の空(プロフ) - ハルルンさん» そのお言葉を頂いてうれしいかぎりです!自分なりに頑張りたいと思います (2019年11月19日 7時) (レス) id: f9ab9db8e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハルルン - この作品大好きです!更新楽しみに待ってます! (2019年11月18日 20時) (レス) id: edb8f085e0 (このIDを非表示/違反報告)
星の空(プロフ) - フッキさん» 他にもキングダムの作品作っておりますのでぜひご覧下さい! (2019年10月4日 12時) (レス) id: f9ab9db8e5 (このIDを非表示/違反報告)
星の空(プロフ) - フッキさん» えええ嬉しすぎます!!!ありがとうございますっ(照)これからも頑張らせて頂くので最後までお付き合い下さいませ。 (2019年10月4日 12時) (レス) id: f9ab9db8e5 (このIDを非表示/違反報告)
フッキ(プロフ) - 何回も星10押しちゃうくらい好きです!更新楽しみにしてます! (2019年10月4日 11時) (レス) id: cf0b992b42 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星の空 | 作成日時:2019年6月21日 20時

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