【原神】その男、執行官につき (ページ2)

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肩で息をしながら、パイモンは疲れた…とつぶやいている。
浮いているのに疲れるものなのだろうか。

「そうだ！おまえなにもんだ？」

思い出したかのように先ほど助けてくれた青年にパイモンが聞く。
その問いに青年はにっこりと笑って答えた。

「タルタリヤだ。「公子」と呼んでくれていいよ」

その後、彼がファデュイだということ、そして妙に協力的なことはわかった。
最後に北国銀行までこいとの話があった後、ことわざを残して彼は去っていった。

「北国銀行ってどこ……?」

「そこからか!」

隣でパイモンが叫ぶ。
そりゃあそうだろう。璃月という地に来たのも今日が初めてなのだから。
銀行というだけあって大きな建物なのだろうか?

「そういうパイモンは何処かわかるの?」

「っうぅ…じ、住民に聞いてみよう!」

少し眉をひそめパイモンを見ると、パイモンは露骨に目をそらした。
まぁ致し方ない。あの公子という男が何も言わずに去っていってしまったのだから。

「じゃあ聞き込みにいこう!」

くるりと一回転したパイモンはすいすいと前を進んでいく。
と、前から歩いてきていた男性にぶつかった。

『いっ…』

「うぅあ…!ご、ごめん!大丈夫か!?」

『いや、全然平気……って君達か』

逆に大丈夫?と男性は言ってパイモンの頭を一回撫でた。

「全然大丈夫だぞ!それより……旅人の知り合いか?」

「いや、まったく知らない」

そう首を振ると目の前の男性は少し笑った。

『俺が君達のことを一方的に知ってるだけだよ。腐れ縁の奴らからよく聞くから』

『俺はA。璃月にようこそ?旅人』

なんというか、言い回しがモンドのようだ。

「オイラはパイモン!こっちは旅人の」

「蛍。兄を探して旅をしてる」

『うん。ご丁寧にどうも。』

ニコニコと笑うAは知ってたとでも言いたげにわざとらしく首を振った。