にじゅうななわ ページ32
その日、私は夢を見た
トランプの服を着た不思議な人たちが白い薔薇を赤く塗っている夢
なんで、赤く塗らなければいけないんだ…って私さっきまで寮で寝ていたような…
ドンドンドンッ‼
『…ドア叩かれてる?』
「むにゃ…A。こんな夜中に誰か来たみたいだゾ」
寝ぼけ眼のグリムを抱き上げてそろりそろりと玄関の方へ向かう
オバケの仕業かと思っていたが玄関のすりガラスにはちゃんと人影が写っている
『こんな時間に何のようですか…?』
「A、もうちょっと危機感持った方が良いんだゾ」
「…オレ。エース。ちょっと中に入れてよ」
「エース?こんな時間にどーした…」
ガチャっと玄関のドアを開くと不貞腐れた顔のエースくん
その首には見覚えのある首輪がかけられていてグリムと2人で驚いてしまった
「も〜、絶対ハーツラビュルには戻んねぇ。今日からオレ、ここの寮生になる‼」
「にゃに〜⁉」
『ん〜、別に人が増えるのは全然良いんだけど…取り敢えずこっちおいで』
腕の中で驚いているグリムを連れて談話室へと誘うとエースくんはしょぼしょぼと後ろから付いてきた
「その首輪って、俺様が入学式でおの赤毛の上級生に付けられたヤツだゾ。」
『なんでそんなのが…またデュースくんと喧嘩?』
「違ぇよ。タルト食った」
『…え、タルト?』
私の聞き間違いかと思っていたらタルトで合っているらしい。
どうやら夕食も逃して小腹の空いたエースくんは寮の冷蔵庫に仕舞われていたタルトを一切れだけ食べたらしい。それがどうやら寮長に見つかり、今に至っている。
話し終えたエースくんはいつまでも不服そうな顔をしているが、これは…
「どっちもどっちなんだゾ」
「たかがタルトを盗み食いしただけで魔法封じされるのはおかしくね⁉」
その後もタルト一切れでこんなことされるのは可笑しいとずっと愚痴を呟いている
「心が狭いにも程があるでしょ!」
『う〜ん、まぁ…』
「なんだよその煮えきらない反応〜!Aなら共感してくれると思ったのにさ〜」
私の反応が嫌だったのか私に猫のように擦り寄ってくるエースくんを置いてグリムは誕生日パーティーのケーキだったのでは?と名推理をかます。
そんな名探偵グリムを私に寄り掛かりながら訝しげな顔で聞き返すエースくん
『だったら怒るかも…まずエースくんちゃんと謝ったの?』
「う…オレ、Aなら絶対寮長が横暴だって言ってくれると思ってたんだけどぉ?」
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夢羽(プロフ) - 初めまして。素敵な作品をありがとうございます!定期的に読み返してはエースくんにときめいています… ご多忙だとは思いますが、更新されるのを楽しみにしてます。 (2020年4月27日 0時) (レス) id: a29a4246c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 特別生とは…?特待生とはまた違うのでしょうか。聞いたことの無い響きですが… (2020年4月19日 21時) (レス) id: b7946a7302 (このIDを非表示/違反報告)
あんのーう芋(プロフ) - はじめまして、好きです(唐突の告白) この小説でエースくんのかわいさに目覚めました…ありがとうございます… これからも楽しみにしてます! (2020年4月3日 1時) (レス) id: d10e65dca4 (このIDを非表示/違反報告)
うめもち - めっちゃくちゃ好きです!!すごいキュンキュンして最高すぎます!wこれからも頑張ってください!! (2020年3月29日 13時) (レス) id: a90799e521 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 更新楽しみにしています。 (2020年3月28日 19時) (レス) id: 1a14a16763 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:木村 | 作成日時:2020年3月19日 11時