欲しがりません、帰るまで 【ツイステッドワンダーランド】

にじゅうはちわ ページ33

『う〜ん、確かに横暴ではあるけど…」
「先に盗み食いしたオマエも悪いんだゾ」
『明日、ちゃんと謝りに行こう』
「食べ物の恨みは恐ろしいんだゾ。アッ!そういえばオレ様もまだ学園長からツナ缶もらってねぇんだゾ!」


ツナ缶の事を思い出して恨めしそうに学園長の事を呟くグリムに苦笑いしていると横で甘えてきていたエースくんが拗ねた子供のように緩く抱きしめてきた

「はぁ、わかったよ。謝れば良いんでしょ…Aが提案したんだから一緒に来いよな」
『うん、わかった一緒に行くよ』


子供のようなエースくんに母性本能を刺激されまくってしまい、頭を撫でながら返事を返すとエースくんは照れたようにやめろよ。といい私から離れて立ち上がってしまった。お母さん寂しい…


「誰がAの子供になんかなるかよ。…取り敢えず今日どこで寝れば良い?」
『あいてっ!』
「オメー、本当に泊まる気か。」

どうやら心のお母さんが声に出ていたようでエースくんにチョップされた。痛い。
泊まるって言っても掃除できてるの私とグリムの部屋以外にこの談話室ぐらいしかないし…


「オレ様とコイツの部屋以外まだどの部屋も埃だらけなんだゾ」
『泊まるって言っても私たちの部屋もベッド一つ壊れちゃってるから…』
「寝るなら自分で掃除しろ」


グリムにそう言われて顔が引きつるエースくん、掃除が面倒臭さいらしい。
私は別に掃除が好きだから良いんだけど…男の子は嫌いに決まってるか。そう思っていると立ち上がっていたエースくんが再び猫のように擦り寄ってきた


「A〜、部屋に止めてよ。オレ、Aと一緒のベッドでもスマートだから幅取らないしさ。ねっ。」
『こらこら、そんなにベッドがいいなら私談話室で寝るからグリムと一緒に寝てもいいよ』
「はぁ⁉なんでこんな毛玉狸と‼コイツ談話室で寝かせとけばいーじゃん‼」
「ふな“っ‼オレ様一人でこんなとこに寝かせるなんてありえないんだゾ!」


結局エースくんが折れて一人で談話室のソファで寝ることになったけど流石に寒そうだと思い眠そうなグリムを先に布団に入れて部屋から布団を何枚か持って降りる


『エースくん、これ…寒いと思って持ってきたんだけ…ど…』


布団を置いてエースくんの方を見るとソファから目元だけ出してジトーっとこちらを見つめていた

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