EPISODE2 ページ4
＊土方side＊
「副長､例の縁談どうするんです？」
今日もいつも通り書類に追われている俺に､ニヤニヤとムカつく顔をして尋ねてきたのは監察の山崎だった｡
「どうも何も……､引き受けるしかねーだろ」
「えぇ､珍しいですね｡いつも断ってたのに……それじゃあ､遂に副長にもお嫁さんが出来るってことですね」
今回も､最初は断るつもりで見合いに来ていた｡
後から桐谷の父親に事情を聞いたところ､Aはストーカー被害に遭っているらしい｡だからAのことを夫として物理的にも精神的にも守ってほしいということで､色んなところに縁談を持ちかけていたそうで｡
そんな事情を聞いてしまったら､良心が傾かない訳がない｡
「断れねェ理由があんだよ｡俺に嫁が出来ちゃ悪いか」
「いえ､そんなことは｡……ただ､副長は一生独身でいそうなイメージだったので」
「んだよそれ､喧嘩売ってんのか」
「まぁまぁそんなにキレないでくだせェよ土方さん〜」
気の抜けたうざったい声が聞こえて振り返ると､後ろにいたのは総悟だった｡
「件の女､中々別嬪だったじゃねェですか｡こんなマヨバカの嫁になんて勿体ねェでさァ」
「うるせぇマヨネーズは悪くねェ」
「────姉上のことは､突き放したくせに」
「………！」
「と言いたかった所ですけど､あの事情を聞いたら何となく土方さんの気持ちも分かりまさァ｡
上手くいくといいですねィ」
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朝霧｡ - ちなみにプロローグに出てきたシオンの花の花言葉は､「君を忘れない」「遠くにある人を想う」「追憶」です！ (2023年4月11日 21時) (
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作者名：朝霧｡ | 作成日時：2023年4月11日 18時
