君と描く物語１０

＃４６９ ページ19

五・六限の選択別授業

選択候補教科には、美術と音楽がある
勿論私の選択した教科は美術

一緒に美術を選択したのは梅ちゃんとアオイと嘴平くん
音楽には竈門くん、カナヲ、善逸くんと言うメンバーで分かれた



梅｢A〜…ここが何か上手くいかないんだけど｣

授業が始まり暫くすると、梅ちゃんが眉間に皺を寄せながら私の隣に腰を下ろす

A｢あー…これ多分こっち側先にやるんじゃないかな？｣

アオイ｢やっぱりA、手先が器用ね！｣

A｢部活で木彫りやった事があるから慣れてるだけだよ…///｣

梅｢んと……こうか！出来た！A、ありがと｣

宇髄先生の授業は自由創作志向だから、細かい作業指示とかは出さず
座学以外は基本的に生徒同士で話しながら進めたりと自由度が高い

先生との接触も蜜では無いから、自分から質問しに行かない限り話す事も少なくて
今の状況だとそれが少し有難い……

たぶん、先生はもう私の進路希望調査票に目を通しただろうから…


…ﾁﾗｯ


｢先生これどう？｣

天元｢いい感じじゃねぇか〜｣

バレない様にこっそりと視線を先生に向けて様子を伺うと、先生は普段通りに皆と笑顔で接していて…

あの用紙一枚で見透かされちゃうかもって怯えてたのは、私のただの考え過ぎで…取り越し苦労だったかな…と、視線を戻した

梅｢…なーにこっそり旦那の事見てんのよ｣ｺｿｯ

A｢え…///…み…見てないよ…っ｣

アオイ｢今のは見てたわね〜…｣

A｢アオイまで…！｣

梅｢今日はバイトじゃない日なんでしょ？そんな寂しそうな顔しなくても、放課後 存分に独り占め出来るじゃない｣

A｢そんなんじゃないってば〜…///｣

終始 小声で話す梅ちゃんとアオイに否定の言葉を並べながら返す

本当にそんなんじゃないの…

何も知らない二人には言えないけど……


その放課後の部活の時間だって、来るのが怖いと思ってるくらいなのに


…でも、来て欲しくないと思ってる時間ほど
やってくるのはあっという間で


天元｢よし、じゃあ片付けて早く教室に移動しろよー

教室戻ったらさっさとホームルーム始めるぞー｣

｢｢はーい｣｣


先生の声で一斉に片付けが始まる

次、この部屋に来る時は…先生と二人きりなんだ
ぎりぎりに提出してしまったから、少なくともそれについては不思議に思って何か聞かれるかも…

上手い言い訳でも考えておかないと


……なんて


そんなの意味が無い程の現実を突きつけられるまで残り…三十分

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