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#39 ページ39

A「あの…先生?」

天元「どうした?」

A「どうしたじゃなくて…そんなに見られてたらやりにくいんですが」


美術室を出て、定位置で最後の仕上げをしていたら
暫くしていつもの様に先生が見回りに来てくれた

のは、いいんだけど…

先生の様子がおかしい

いつもならアドバイスをくれたり雑談をしながら時間を過ごすのに
今日は黙ったまま隣に座り、ずっと私を見てぼーっとしてる…

A「…」チラッ

天元「ん?」

A「…ク…ッ!(顔がいい…!///)」


何でそんなに幸せそうな顔してるの…
ただでさえレベル違いなのに、更に格好良いに拍車がかかってるよ!

心做しか、先生からキラキラした何かが放たれてるようにも見えてきた…

心臓に悪いから、そろそろやめて欲しいけど
先生のこんな幸せそうな顔を見るとそんな事も言えなくて

こうやって先生の虜になって行く女生徒が、過去にどれだけいたのかと思うと…

罪な男という言葉は先生の為にあるんじゃないだろうか


そんな事を考えながらも何とか手を進めて、やっとの思いで作品が完成した

A「ふぅ、よし…」

天元「完成した?見てもいいか?」

A「はい」

完成したばかりの絵を宇髄先生に手渡す

私に向けられていた視線が、今度は絵に向けられて
その目はさっきまでとは違い真剣そのものだった


昔から、自分の絵を他人に見せるのが苦手だった
まるで自分の内側を覗き込まれる様に思えるから

けど、今はそんな風に思わなくて…
宇髄先生がこの絵を見て何を思ってくれるのだろうかとか、どんな風に見えているのかとかそわそわしている


天元「うん、いい絵だな」

A「…!」


嬉しい…

いい絵だ。そう言ってくれた先生の顔は優しくて
心の底から思ってくれているんだって事が伝わってきた

A「先生、ありがとうございます。先生が毎日アドバイスしてくれたり、話し相手になってくれたから

肩の力抜いて描けたんだと思います」

天元「…Aがいつも俺のお陰だって言ってくれるのは嬉しいけど、そうじゃないよ

これはA自身が望んで生み出した物だ

俺はただ見守っていただけ。何もしてないよ」

A「そんな事ないです。先生にとっては何気ない事でも、私の力になってるんです…

だから、先生のお陰なんです!受け取って下さい」

私は先生から貰うばかりで、私から返せる物は何も無いから…せめて言葉だけでも伝えたい

天元「そっか…ありがとう」

A「はい」

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設定タグ:鬼滅の刃 , キメツ学園 , 宇髄天元   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:P | 作成日時:2021年1月6日 2時

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