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天元side
最初は、まだほんのり赤く見えたAを心配して
本気で熱を測る為に近付いたけど
あまりにも可愛い反応を見せてくれるもんだから、ついからかいたくなってしまった
でも…本当に元気になってよかった。ほっとした…
後で中庭に行って顔を見ればいいかとも思ったけど、少しでも早く元気な姿を見たくてここで待っていた
あの日、倒れたAを運びながら一人で考えてた
Aを好きになり始めたと気付いた頃、Aの事を考えたら黙っているのが一番だと自己完結したけど
倒れたと聞いた瞬間感じたとてつもない不安と、Aをこの手に受け取った時の少しの安心感
そして…あんな状況においても、他の誰にも触れさせたくないと思ってしまう程の独占欲…
これ以上好きにならないようにと思っていても、多分 俺はもう引き返せないんだろうと悟った
どんなに頑張ったって、俺は教師でAが生徒なのは変わらなくて…年の差だって縮まらない
けど、そんなどうしようも無い理由でこの気持ちを諦められる程 大人でもなくて
どうせ同じ結果になるなら、俺の全力ぶつけてから散った方が納得も行くだろう
つまり開き直ったとも言えるんだけど
何もしないまま無かった事になんか出来ないって思ったし、そうしたくなかった
もしこの気持ちをぶつけて今の関係が壊れてしまったらっていう不安もあるけど、そしたらまた新しく築けるように足掻くさ…
駄目が元々なら何だってできる気すらしてきた
それでも、万が一奇跡が起きたとして
この手を取ってくれる事があったなら…その時は…
A「…?」
じっと見つめる俺の視線に、きょとんとした顔で返すA
その時は、なりふり構わずかっさらいに行くからな
天元「開き直った俺は、相当手強いぜ?」ボソッ
A「……?今、何か言いましたか?」
天元「なーんでもねぇよ。今日もあそこで作業すんだろ?そろそろ完成か?」
A「え…あ、はい。今日で仕上げるつもりです」
天元「そっか、間に合ったらまた見に行くから」
A「はい」
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- 全体運: ★★★☆☆
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作者名:P | 作成日時:2021年1月6日 2時